ざっくり適当なあらすじ
・ユニバースはなんやかんやでどうにかなったよ!やったね!
・ニュクスの門番してたら引っ張られて中に入っちゃって気が付いたら三門市にいたよ!
・迅さんに拾われてなんだかんだ流れでボーダー加入させられてたよ!なくまーー!!。
・でも、玉狛じゃなくて本部所属の忍田本部長派閥だよ!
・くまーー!!はB級上位ソロで槍を薙刀と同じようにして使ってるよ!
(1年間生身で戦闘してたんだから上の方に食い込めるでしょ。でも、ペルソナ使えないし、チームも組んでないからB級止まりで。)
・ペルソナは使えるけど、使わない。使ったら城戸司令怖そうだもん。でも召喚器は常時持ってるよ!
・拾われてから半年位経ってるよ!

からの、ブラックトリガー争奪戦編


「“おれ一人だったら”の話だけど」
「……!?なに……!?」

迅がそういうと、ブラックトリガーを奪取しに来た者は皆は眉間に皺を寄せながら睨む。
その瞬間、狙っていたかのようにダンッと屋根の上に跳び移り、着地したものが言葉を発した。

「嵐山隊現着した!忍田本部長の命により、玉狛支部に加勢する!」
「嵐山…!」
「嵐山隊……!?」

嵐山隊が現着したことにより、場に流れる空気が変わった。

「忍田本部長派と手を組んだのか……!」

太刀川がそう告げると、嵐山隊は迅のもとへと降りていく。

「遅くなったな迅」
「いいタイミングだ嵐山。助かるぜ」
「三雲くんの隊のためと聞いたからな。彼には大きな恩がある」
「木虎もメガネくんのために?」
「命令だからです」

スパッと木虎はいい放ち、何とも言えない空気になる。
そんな空気の中、一人の足音が迫ってくる。

「お、きたな」

迅が目を向けると、くまーー!!が走りながら一言叫ぶ。

「迅さん急に呼び出さないで下さいよ!折角パスタ作って食べてたのに…!」

あんま食べれなかったじゃないですか!と文句を言いながら走り寄る。

「悪いな」

と走り寄ってきたくまーー!!の頭をぐしゃぐしゃにしながら前に向き直り言う。

「嵐山たちがいればはっきり言ってこっちが勝つよ。おれのサイドエフェクトがそう言ってる」
「サイドエフェクトの前に人の頭ぐしゃぐしゃにしたこと謝れコノヤロー」
「ちょ、くまーー!!話の腰折るな…!」
「じゃあ、物理的に折りますか?骨」
「どこの!?」

トリオン体だから無駄だけどねなんて言われても生身に戻った時に殺りますと告げて太刀川隊に向き直る。

「おれだって別に本部とケンカしたいわけじゃない。退いてくれるとうれしいんだけどな、太刀川さん」
「なるほど“未来視”のサイドエフェクトか。ここまで“本気”のお前は久々に見るな。おもしろい」

弧月を抜きながら太刀川は尚も続ける。

「お前の予知を覆したくなった」

その言葉を合図に皆、戦闘態勢を整え始める。
迅もそれが分かっていて、にやりと笑いながら風刃を抜く。

「やれやれ、そう言うだろうなと思ったよ」

互いのトリガーを構え、走り出す。
くまーー!!も槍を構え、迎撃する。
向かってくる菊地原をいなし、踏み込んでくる風間を近付けないように槍を振るう。

「B級のくせに生意気…」

菊地原がぼそりと呟くと、それに対して、

「そー思うんなら、迅さんをどーにかして下さいー…」

呼び出されていきなりA級とバトルさせられるなんて、と思い半べそをかきながら返す。
そんなくまーー!!に太刀川は弧月のオプションを使い、迅や嵐山もろとも斬ろうと攻撃してくる。

「えげつないなー…もー」

げっそりしながらも、迅、嵐山と共に回避する。

「うひー。さすが迅さん、イヤな地形選ぶぜ。射線が全然通んねーじゃん」
「5人まとまってるとなかなか殺しきれないな」
「しかも迅はまだ“風刃”を一発も撃っていない。トリオンを温存する気だ」
「後手後手だな……」

そんな会話を尻目に相手から距離をとって迅、嵐山隊、くまーー!!は作戦を練り始める。

「……次はこっちを分断しに来そうだな。その場合はどうする?」
「別に問題無いよ。何人か嵐山たちに担当してもらうだけでもかなり楽になる。風間さんがそっち行ってくれると嬉しいんだけど、こっち来るだろうな」
「うちの隊を足止めする役ならたぶん三輪隊ですね。三輪先輩の“鉛弾”がある」
「…なら、私、嵐山隊の弾避けになりましょうか?」
「いや、くまだは迅の方に行ってくれ。その方がバランスがいい」
「んー、分かりました」
「どうせなら分断されたように見せかけてこっちの陣に誘い込んだほうがよくないですか?」
「そうだな。賢と連携して迎え撃とう!」

作戦が纏まった処で、相手方も準備が整ったようで向かってくる。

「おっ、来たな。うまいことやれよ嵐山」
「そっちもな迅」

背を向けて嵐山隊が移動を始める。

「さて、おれたちも動くか」
「りょーかいです、迅さん」

今までいた屋根の上から降り立ち、太刀川、風間、菊地原、歌川を迎え撃つ。
相手が交互に斬り合いをして踏み込んでくる度に、迅とくまーー!!は消極的に退いては一撃を入れ、下がっていく。
合間に奈良坂、古寺からの狙撃を避けつつ包囲されないよう移動する。

「あー…、射線読んで避けるのしんどい…迅さんのサイドエフェクトいいなー…」
「案外くまーー!!余裕そうだな。ほいっと」
「どちらかと言えば、私チームプレー向きなんで。うわっ!」

あっぶないなー、なんて会話をしながら避けていく。

「ずいぶんおとなしいな、迅。昔のほうがまだプレッシャーあったぞ」
「まともに戦う気なんかないんですよ。この人は単なる時間稼ぎ。今頃玉狛の連中が近界民を逃がしてるんだ。それに、B級と一緒なんてふざけてる以外考えられない」
「いいや、迅とあのB級は守りに徹しながらこちらのトリオンを確実に削っている。こいつらの狙いは俺たちを“トリオン切れで撤退させる”ことだ」
「……!?」
「あらら…」
「迅さーん、こっちの目的ばれましたねー」
「そーゆーこと言わない」

じゃれながらも相手の動向を気にする。
その間にも太刀川と風間はこちらの作戦の種明かしをしていく。
さすがにこれ以上トリオン切れを待つことは出来なさそうだと感じた迅はふーっとため息を吐いた。

「やれやれ…やっぱこうなるか」

その言葉の後に瞬時に風刃を発動させ、風刃を見たことのある太刀川、風間は咄嗟に防御の態勢をとるが、無防備だった菊地原の首を飛ばして緊急脱出させる。

「仕方ない、プランBだな」
「え…迅さん、私プランBとか知らないんですけど…!」
「大丈夫。くまーー!!はふつーに戦ってくれればいいから」
「事前の打ち合わせ位してくださいよっ!」

怒りながら槍の柄をきつく握り直し、迅の風刃の動きに合わせて槍を振るう。

「……申し訳ないが、太刀川さんたちにはきっちり負けて帰ってもらう」

迅がそう言うと、風間と歌川が隠密トリガーを使い、ステルス状態になる。
太刀川は迅にまっしぐらでくまーー!!には見向きもしない。
B級だからとなめられているのだろうが、こちとら今の状況で傷1つねーからなくまーー!!はおこだよ!と内心癇癪を起こし、狙撃手を狙いに隠密トリガーを使い、戦線を離れる。

「あのB級、隠密トリガー使いましたよ!どうします!?奈良坂先輩!」
「焦るな章平。おそらく、こっちを狙ってくるから、警戒はしておけ。迅さんのことは太刀川さんが追い込むから心配はいらない」
「わ、分かりました」

古寺と奈良坂はくまだの動向を気にしつつ、風間の指令通りに迅の動きを制限するように撃ち込んでいく。
狙撃手の方向へ移動しながらくまーー!!は考える。
狙撃手を緊急脱出させるか、迅の間合いに気をつけながら、太刀川、風間、歌川の戦力を削ぐか…戦力をごりごり側面から削ぎましょうと結論付けてたどり着くと、ガレージの中へ迅は追い込まれていた。

「もう逃げ場はないぞ、黒トリガー」

悪役じみた顔で太刀川は笑う。
迅は斬撃をガレージの壁に伝播させることで太刀川に深手を負わせる。

「珍しく熱くなりすぎたな、太刀川さん」

かかったといわんばかりに、太刀川を切り刻む迅。
だが、隠密状態だった風間と歌川が挟み込んで斬りに行く。
太刀川が斬られたのを見て、古寺は声を荒げる。

「太刀川さんがやられた!」
「うるさいよ?」

その瞬間、古寺のトリオン供給機関を槍で貫き、破壊する。

「なっ!?」
「みんなして迅さんにばっかり気を取られすぎ。舐めるなよ」
「章平!」

そのまま奈良坂のもとへ向かう。
奈良坂は移動しながら逃げるが、くまーー!!は瞬間移動で距離を詰める。

「テレポーターだと!?」
「誰もそーいうトリガー仕込んでないなんて言ってないです」
「くっ!!」

奈良坂はイーグレットを構えて撃つが、足で蹴り上げて射線を変える。
そのまま体の勢いを利用して槍で右腕を斬り落とす。

「もう、安定して撃てないですね」
「そっちこそ、舐めるな!」

狙撃手としてのプライドを傷つけられた奈良坂はイーグレットを片腕で撃とうとするが、ドドンッと2名分の緊急脱出が作動してまもなく通信が入る。

《作戦終了よ。太刀川さんと風間さんが緊急脱出したわ。撤収して頂戴》
「っ!?」
「うわー。さすが迅さん、捌ききったんだ」

くるりと背を向けてくまーー!!は迅のもとへと歩き出す。

「あ、おい、おまえ…」

声を掛けてきた奈良坂を無視し、そのままテレポーターで移動した。


×