がっつり設定練りこんでますが、正直生かし切れてません。 濃すぎるキャラ設定がイヤという方はUターンでお願いします。 勝手に捏造の土地名やら店名やらが出てきます。 大丈夫な方はスクロールして閲覧してください。 *名前変換はありません!固定の名前でやらせていただきます。 設定 井上史尋_イノウエフミヒロ 男 26才 イギリス人のハーフ 母親がイギリス人父親が日本人 金髪 灰色の目 料理上手系男子 身長189cm 体重69s 長身痩躯 母国語は英語 第二言語で日本語・ドイツ語・フランス語・中国語・スペイン語・ラテン語・イタリア語 草薙出雲と同窓生 キング・十束と面識があり、友人関係 吠舞羅には所属していない一般人 その出会いはよく晴れたとある昼過ぎの事でした…・・・――― 鎮目町の人通りが多いメインストリートを紙袋を下げてゆったり歩く一人の金髪の男が居た。 その身長の高さ故か、顔の造形が整っているせいか歩いている大体の人は振り返ったりして見ていく。 そんな人達の行動を男は気にした素振りも無く自分のペースを保って歩いてゆく。 ふと、立ち止まり空に視線を投げた男に周囲も釣られ空に目を向けた。 そうして男は一言ぽつりとつぶやいた。 「やっぱ、作りすぎたな…」 男の見た目からして外国の言葉が飛び出すかと思いきやばりばりの日本語である。 何を作りすぎたのかも分からず、そして空とはまったくもって関係など無い。 周囲の意識がどこかへ行って気が付いた時には男は雑踏へとまぎれて消えていた。 BARHOMRA 開店前の落ち着いた雰囲気の店内でグラスを磨いていた草薙はカウンター越しに座っている1人の女性に目を向け話かけた。 「…なぁ、世理ちゃん。今はまだ開店前やねんけど…」 「えぇ。勿論知っているわ」 「…知っとるんなら店開けてから来てや」 「あら、私の記憶違いで無ければ今日は貴方に呼ばれて私は此処に居るのだけれど?」 「いや、まぁ、そらそうなんやけど…」 草薙が二の句を継ごうとしたその時 BARHOMRAの扉が開き、ドアベルの音がカランと鳴った。 「イズモー居るー?」 「俺が居らんとドア開かへんやろ」 「いやー、キングとかタタラがいるんじゃねーかと思って…ってアララ、お客サンのお相手中?それともカノジョサン?」 「彼女ちゃう、お客さんや阿呆」 イズモ手厳しーなーとケラケラ笑いながら紙袋を引っ提げ金髪の男が淡島から椅子一つ分を空け腰かけた。 「初めましてオネーサン。俺は井上史尋って言います。がっつり日本名だけどイギリスとのハーフでーす!オネーサンお名前は?」 「淡島よ。淡島世理。貴方、あまり見ない顔だけれど吠舞羅の人間なのかしら?」 「あーちゃうよ世理ちゃん。史尋は俺と高校で同窓生だったんや」 「そーそー!よく遊んでたりはしてたけど俺が断ったんだよねー」 「あら、何故なのか聞いても?」 「いやー、オレ自分から行く面倒事ってキライなんだよねー」 「尊やら十束が持ってきた厄介事には自分から首突っ込んで行きよったくせに…」 「他人が持ってくる厄介事は大歓迎!」 「貴方が吠舞羅とツルんでいる理由が分かったわ。つまり貴方も大層頭のネジが緩んでいるようね。」 「いやん淡島サンも手厳しーねー。吠舞羅についても詳しく知ってるみたいだし」 と笑い飛ばし、紙袋に入っていたタッパーを取り出してカウンターの上にのせた。 「私はセプター4の関係者だもの」 「おー!青服の!何回か追い回されたことあるなー」 …あり?もしかしてオレしょっ引かれる? 今はオフだもの。しないわよ。仕事中に見つけたらただで帰す訳にはいかないけれど。 「おーい…取り敢えずあんさんらの不穏な会話は置いといて、史尋は相変わらず怪しいことに首突っ込んどるんかいな…」 ええかげんにせーやと草薙は呆れながらもカウンターの上にのせられたタッパーを受け取った。 「んで?今回はまたえらい量が多ないか?」 「あ、やっぱりそー思う?」 持ってくるときに思ったんだよねー おかげで手が疲れたー そういって井上はカウンターに上半身を預けぐったりとした。 「…一体彼は何をして来たの?」 「あー…こいつがぐったりしてるんはもやしっ子やから堪忍してな」 ちなみにコイツが持って来たんは料理何品かとパウンドケーキや 「淡島サンも食べるー?むしろ食べてー?」 上半身を起こしながら猫の様に体を伸ばして言った。 「この時間やし、お八つやね」 ちょお、待っててやーと草薙はパウンドケーキを切るために奥のキッチンへ姿を消した。 「あ、淡島サン、ドライフルーツとかナッツとかお酒強いのとかダイジョーブ?」 「えぇ、大丈夫よ。お酒も嗜む程度には飲むもの」 「おぉー。出来る女性って感じ!」 「あら、言われて悪い気はしないけれど誉めても何も出ないわよ?」 淡島は上品に笑いながら言う。 「なんや、初対面なのにお二人さん仲ええな〜」 嫉妬してしまいそうやわなんて軽口を叩きながら草薙は戻ってきた。 「そんな軽口叩くからイズモは胡散臭いんだよ」 「お前に言われた無いわど阿呆」 「オレは英国紳士だもーん。女性を喜ばせるのは当たり前なんですぅー」 「26の男がもんとか言うなや気色悪い」 「貴方達はいつもそんな掛け合いをしているのね」 「あーあ、イズモせいで呆れられちゃったじゃない」 「俺せいにすな!」 ギャーギャー喚きながらも紅茶の準備を進めている草薙はプロ根性を発揮していた。 淡島の前に香りの良い紅茶を提供し、切り分けたパウンドケーキとスコーンを置いた。 スコーンからはほんのりとシナモンの香りが漂っており、そのスコーンに合うクロテッドクリーム、蜂蜜等が添えられている。 「今日世理ちゃんを呼んだ理由はこのスコーンだったんやけど、たまーに昼に店開けるときに出そ思てて、感想聞きたいんやけどええかな?」 「そうだったの…なら遠慮無く頂くわ」 「イズモーオレにはぁ〜?」 「今出したるから待ち」 その間にも淡島はパクパクと食べ進め口を開いた。 「そうね…クロテッドクリームの酸味とスコーン自体のほんのりとした甘さとシナモンの香りが絶妙にマッチしててこのままでも美味しいのだけれど、もっと美味しくなるには餡子があればいいと思うわ」 そうね、まず手始めにずんだ…なんてどうかしら? でもやっぱりオーソドックスにつぶ餡も捨てがたいわね。 と言い出した淡島の横でピタリと動きを止めた井上を見て草薙が思った事は只一つである。 あ、こらあかん。 と…・・・――――― 突然ガタッと音を立て立ち上がった井上に淡島は驚き草薙は顔に手を当て項垂れた。 「……淡島サン。もしかして餡好きの人?」 「え、えぇ。そうだけれど…」 淡島の片手をガシッと両手で掴み包み込んだ。 「な、何かしら?」 「……餡子って素晴らしいよね!!!」 「始まったわ…」 「…貴方、いいえ、井上さんだったわね。どうやら話の分かる人のようね」 「井上さんだなんて水臭い!史尋で構いませんよ!」 「私のことも堅苦しい呼び方で無くて構わないわ」 お互いに目を合わせ手を取り合いにっこりと微笑みあった。 その奥で項垂れている草薙に気を回せる者は今此処には存在していなかった。 「やっぱり餡と言えばオーソドックスな小豆から煮られた粒あんだよね!最近餡を自分で煮ているんだけど程よい上品な甘さや滑らかな舌触り等をどうやったら出せるかを試行錯誤してて、小豆の状態によってかなり変わったりしていてそれでも一回一回の口当たりが変わるから飽きるなんて事も無くむしろ次はどんな餡子に仕上がるのかな、なんて楽しみながら作っているんだよ」 「あら、素敵ね。私は自分では作らないのだけれど、最近はずんだと白あんにハマっているの。椿門の東側に新しく出来た和菓子屋さんで大判焼きを出しているのだけれど、そこのがおすすめね。皮が薄めでパリッとしていて、餡がたっぷりなのよ」 「あ、それってあずま庵ってお店?チェックはしてたんだけど中々時間が取れなくって行けてないんだよねー」 「あぁ、やっぱり知ってはいたのね。あの辺のお店だとあずま庵がおすすめよ」 「オレはこの前行った仕事先の比佐市って所の安寧ってお店のぜんざいがおすすめかな。テイクアウトも出来るし、イートインも出来るんだよねー。ちょっと見つけずらい場所にお店があるんだけどーゆったりできる空間で抹茶とかも楽しめるからオススメ!」 「今度のオフの時に行ってみるわ。史尋さんのおすすめだものハズレなんてことは無さそうだし最近ゆったりできてないのよね」 「ならオレにエスコートさせて?絶対に後悔させないから。他にも世理チャンに紹介したいお店とかオレが作った餡子食べてもらいたいし、ね?ダメ?」 なんて淡島の手を取り首を傾げながら井上は問いかける。 「しっかりエスコートしてくれるなら構わないわ」 しっかり連絡先を交換し合いながら井上は満足げに頷き笑い、淡島も微笑みながら端末を自分の鞄に仕舞うとBARHOMRAの扉開け出て行った。 おまけ (草薙さ〜ん来たよ〜) (……おぉ…十束か…) (あれ、何だかお疲れ?俺出直した方がいいかなぁ) (…いや、ええよ十束) (何かあったの?草薙さん) (お!タタラー久しぶりー) (あれ、井上さんだ珍しいね。なんだかご機嫌だし) (同志を見つけたからな〜) (へ〜井上さんの食トークについてこれる人なんていたんだ) (さらっと毒吐くなや…しかもついてきた人は世理ちゃんや……) (あー…草薙さんお疲れ様) (ホンマにな…勘弁してくれ…) ×
|