巌戸台分寮夜の屋上


なんだか眠くなく、夜風に当たりつつ天体観測でもしようかと屋上に来てみた。
影時間の中で天体観測をしていると月が大きく見えて楽しい。
月が明るいと星もよく見えるし。



ガチャッという音と共に屋上の扉が開いて何か抱えた湊が顔を出した。



「…くまーー!!みっけ」
「んー?どったの?」
「なんか、此処に居る気がしたから」
「おぉー。よく分かってるね!星と月見たくなったんだよね」
「そしたらすぐに影時間になった?」
「湊君大正解!でもそれは言わないお約束ですー」


人指し指を口にあてて、しーっと湊に向ける。
湊も微笑みながらマネをしてきた。
面白がってるなこれは。
っていうか、湊がやると様になる…
可愛いなー と和んでいたら、ばさっという音と共に薄めの毛布をかけられた。



「くまーー!!…風邪、引いちゃうよ」
「なら湊も入ろうよ。1人で見るの飽きてきた」
「見る」


ごそごそと動きながら2人でどう毛布をかぶろうか探した結果、なんとも王道な後ろから抱えられる形におさまった。








……めっちゃ恥ずかしい。








でも何故か湊はご満悦そうに笑ってるし、私も温かいからいいかな、なんて。





「…また、見れたらいいね。」
「次は先輩とか風花ちゃん達も誘ってみよっか!」
「ん」



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