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5月18日
学校

誰もが避けたいと願い絶望を抱く者を増やすこの最悪な日々が始まろうとしていた…………









───そう、今日から中間テストである。





クラスのあちこちから勉強してないだの、山を張っただの過去問がーなんて会話が溢れかえっている。
順平君は友近君たちと頭抱えながら騒いでて、ゆかりちゃんはまとめたノートとにらめっこ。
湊は…うたた寝してる………余裕なの……?
私も復習しないと応用とかが危ないからパラパラっと見てるだけだけど…
テスト期間って早く帰れるのは嬉しいんだけどね〜。

「…晴、ここ、やっておいた方がいいよ」
「んぉっ?!み、湊?!あれ?!さっきうたた寝してなかった…?あ、範囲ここも入ってたんだ。ありがとー」
「どういたしまして。…寝てた、けど晴の唸り声が聞こえた気がしたから…」
「わぁ、恥ずかしいやつだ〜〜」
「何々?!どこ出るって?!!?」
「…うるさい」
「ね」
「スンマセン…教えてクダサイ…湊様!晴様!!」
「よかろう!お主にはこのノートを見せてしんぜよう」
「ははー!有り難き幸せ!!」
「サンキュー村木!助かる!!」


大袈裟なやり取りの後私のノートを順平君に渡して友近君たちと自分の席でノートを覗きこんでいる。


「晴楽しい…?」
「楽しいよ。湊は面白かった?つまらなかった?」
「…分からない」
「そっか。じゃあ、湊の笑いのツボが私や順平君と違うのかもね〜」
「そういうもの?」
「そんなものじゃない?笑う時は自然と笑ってるもんですよ湊さん」
「そう…。でも、晴が面白いと思うものは俺も面白いって思いたいな」
「わ〜恥ずかしいセリフをよくもさらっと言いますね…」
「そうかな?」
「あ〜…いや、うーん。ま、いっか。テストの話に戻すよ!」
「分かった。あ、ここ俺が授業中に指されたヤツ」
「まじか。そこ出そうだね…ブレイク・ア・レッグっと…」


―――ガラッ


「ほらほら皆席に着いてー!テスト始めるわよ!今さら詰め込んでも今までの記憶が物言うんだからねー!」

鳥海先生がパンパンと手を叩きながら容赦の無い言葉を言い放って教室に入ってくると、ガタガタと音をたてながら皆が椅子を引いて移動していく。


テストに集中しなければ…!




そうだ!テスト明けに自分のご褒美として湊と今話題のお笑い芸人が出てるバラエティーを一緒に見てくれるようにいってみよう。
きっと声をかければゆかりちゃんは呆れた顔しながら居てくれるだろうし、順平君はノリいいから大爆笑してくれる。桐条先輩や真田先輩も誘ってみてもいいかもしれない。
今のはどこで笑うんだ?とか言いそう。それを聞いた私と順平君が笑って、ゆかりちゃんも噴き出して…って笑いが連鎖すればいいな。




──────
────
──


笑顔の前にテストで撃沈してますわ…しんどい…
湊が言ってくれたとこは完璧に書けたし、一応それなりに解けたケド…多分平均70越えはしてるよ。
最低でも70。よくて90いってるんじゃないかな?
周りを見回せば湊は開始前と同じようにうとうと。ゆかりちゃんは回答の確認した後切り替えて次の教科の勉強に取り掛かってる。
順平君は…テストの途中から寝始めてたのは知ってたけど…まだ寝てる…
友近君たちでさえ嘆きながら次の勉強してるのに…




う〜〜っ!テストの事なんてもう考えたくない!!ハイ!というわけで!結果発表いってみよー!





5月25日


「おーい、結果貼り出されたってー」


気は進まない…というか、ゲームだと最初のテストで学年トップを取るの難しい気がするんだけど湊君はコミュを築くためにも1位とってないと大変なのでは?
って、わりとずーっと湊君のコミュ事情気にしてるけどももう気にしない方がいいんだろうなぁ。
待てよ…ユニバースするのにMAXコミュの力を使うはずで…私自身もコミュを築かないとダメでは…?
いや、それでもワイルドの属性でペルソナは1体しか持てない私はコミュとか関係あるのか…?
湊みたいに複数体所持はしないし…
合体の時の経験値がプラスでのるとかそんなんじゃないし…ってあーもー!ごちゃごちゃしてきた!
ゲームと現実ごっちゃはまずい。
いやでも大筋はゲームだし…いやいや…それでも…



「おーい晴!死にそうな顔してっけど俺ッチも順位やばいし気にすんなって!女も男も頭の良さが全てじゃねぇって!」
「何失礼な事言ってんのよ順平!晴は頭いいわよ?あんたと一緒にすんなってーの」
「いや、うーん成績優秀では無いけど確かに心配はしてないよー。でも声かけてくれてありがとね順平君、ゆかりちゃん」



心配おかけしました〜。なんて冗談交じりに笑い飛ばして椅子から立ち上がる。



「はっ!?晴頭いいのか!?う、裏切者!信じてたのに!」
「いつも晴の名前上の方に書いてあるでしょ。なんで知らないのよ」
「ゆかりちゃん大げさだって。中の上なだけだよ。ゆかりちゃんの方が上にいるじゃん」
「どちらにしろ頭いーんじゃねーか!ノート分かりやすかったです!ありがとうございました!」
「あはは、うん。役に立ったなら良かったよー」



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