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「なっ!?」
「違うペルソナ?」

戸惑う二人をよそに余裕を取り戻した私は湊が召喚したその子をじっと見つめていた。
青い頭巾に雪だるまのような子。
実物可愛いすぎないか!!?!
ぎゅってしたい!!!!ゲーセンでジャックフロスト人形あったら絶対取ろうと心に決めた。

そんなことより、ジャックフロストが吹雪を吸収している間にとどめを刺さなければ。

《急げ!もう時間がない!》

桐条先輩から急かされつつ、チラリと振り返った湊は順平君に向けて言う。






「背中は預けた」






「格好つけやがって…使い方、間違ってるっての」
「順平君…」
「順平!?」


「分かってる。分かってるよ!ここでやらなきゃ男じゃねえ!ラス1だ!来やがれペルソナァ!!」


ヘルメスの渾身の一撃をくらい、プリーステスは消滅した。

「へへっ。余計なことしやがって」

照れ隠しか頬をかき、笑いながら言った順平君にほのぼの仕掛けたが、ゆかりちゃんと私の叫びによってまだ終わっていない事に湊と順平君は気づく。

「なんで…なんで止まらないの!」
「こういう時って倒したら止まるのがセオリーじゃ無いの?!」

全員で急いで先頭車両の運転室へ。
扉は順平君が蹴破り操作盤の前であたふたと慌てていた。
湊は戦闘モードからオフモードになったのかぽやっと満月を眺めていてゆかりちゃんはそんな湊にキレた。

「なんでそんなに落ち着いてるの!?列車止めなきゃ死んじゃうんだよ!?!」
「?なんだ、止めたいのか」
「そりゃそうだよ!止めなきゃ皆死んじゃうって湊言ってたじゃん!なんで急に心中希望!?」
「?希望は別にしてない」

湊は私とゆかりちゃんの慌て具合に首を傾げながら順平君がいる操作盤の前へ進み出た。

「お前分かるの…?」
「この前見た」
「この前って…あれゲームじゃん!ばかっやめろ!」

制止する順平君を無視してレバーに手をかけておろした。
甲高い金属音と激しい揺れでぐらつきながらも列車はギリギリだったが無事に止まった。

「……止まっ、た……??」
「これでいい?」
「ちぇ…なんだよ結局いいとこ持っていきやがって…」
「これでいいっちゃーいいけど、湊の態度がちょーっといただけないなぁ〜…」
「なんで…?」
「う〜んまぁ、今はまだ分からないかもしれないけど…いつか命の重さってのを知ることが出来たら分かるんじゃないかな〜なんつって…アハ、アハハ…はぁ…」





心も身体も疲れたなぁ…




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