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4月19日

初めてお見舞いに行ってから10日目。
…そろそろ湊君が目を覚ますはず。

……だよね?


今日も今日とて湊君のお見舞いの為に病室に訪れた。

ら、病室から話し声が聞こえた。
これ、邪魔しちゃダメなやつだよね…。
なんかお互いの両親がどーとかこーとか。
よく覚えてないけど空気を読むんだ私!!


廊下で壁に寄りかかりながら話しが終わるのを待ってみる。
少しぼそぼそ聞こえるだけで話しの内容までは分からない。


…いつ終わるかなぁ………


ボーッとしたままなんの考えも無く扉に手をかけようとした瞬間ガラッと扉が開いてゆかりちゃんが出てきた。

「「うわっ!/きゃっ!」」
「って、あれ?村木さん!?
え、えぇっと、いつから此処に?
今の話し…聞いてた?」
「え?私今来たばっかりだけど?」


なんて言ってみたけど、白々しかったかな?
まぁ、いいや。気にしない。
鉢合わせしてビックリして心臓バクバクする。
うん、やっぱりゆかりちゃん女の子だね。
きゃっ!って悲鳴私あげられなかったよ。


「あ、そ、そっか。あ!有里君目を覚ましたよ!」
「本当?!教えてくれてありがとう!」
ゆかりちゃんに笑ってお礼を言ったけど、ゆかりちゃん本当に素直というか嘘つけない子というか、真っ直ぐだなぁ…なんて思ってしまう。
自分薄汚れてんな…

しかも湊君に依存している現状はあまり宜しくないと分かっていながらやめる気は今の所、無い。


「失礼しまーす!目覚まして良かった。
このまま覚まさないんじゃ無いのかと思っちゃったよー。」
「今結構楽だから大丈夫だよ。晴ちゃんが、お見舞い毎日来てくれてた、って岳羽さんに聞いた。」
「あぁ、うん。寮に帰っても暇だったし、湊君心配だったから。」
よかったよかったと笑う私にふわりと笑い返してくれる湊君。
湊君に後光がさしてるのが見える気がするよ…

「…どうしたの?」
「いや、(湊君が)眩しくて。」
「…そう…?」
そうそう。今までのノートの写し持ってきたけど、いる?いる。んじゃ、置いてくね。ありがとう。お大事にねー。ねぇ学校一緒に行こうよ。唐突だね。全然いいよー。本当?本当。



「「じゃあ、また明日。」」






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