16

4月10日

昨日の晩考えたにも関わらず、順平君については全くもって思い出せなかった。
まぁ、すぐパーティーinする人だしなんの心配もいらないんだけど…







それより、コレだよコレ。






「なぁなぁ、村木っち!!転校生君とどーゆーかんけい?!」
「…はぁ…。」
そんなことより、ゆかりちゃんに湊君について聞きに行きたいんですよコノヤロー。

なんて、口に出せず半目の死んだ魚のような目を順平君に向けていると、ゆかりちゃんがコッチに来た。

「村木さん、ちょっといいかな?」
「いいよー。私も聞きたいことあったし。」

ガタガタと椅子を引いて屋上に向かおうと立ち上がった私に順平君はえ、俺っちスルー!!?!なんてぎゃーぎゃー騒いでた事なんてワタシ、シラナイヨ。





「ねぇねぇ、岳羽さん。湊君が今日休んでる理由知らない?」
連絡しても返ってこないんだよね…湊君と岳羽さんって同じ寮だったよね?と聞くと、予想していたのか淀みなく答えてきた。

反応が普通すぎて楽しみにしてたのにつまらん。

ま、突っ込んだ質問してないからいーんだけどね。

アンチじゃ無いけど、湊君が倒れた理由って守る側だった筈のゆかりちゃんが戦えなくて守ったからっていうのがちょっと…なぁ…

そんな私の心情なんて知らずに、でも自分の至らない点に自覚があるのかへこんだ顔をしながら話し始めた。
お見舞いの許可でるかな…

「うん、その話しをしようと思って声かけたの。有里君転校とか引っ越しとかの疲れが出ちゃったみたいで、倒れて入院してるの。」
「え、入院してるの?」
「してるの。」
「お見舞い行きたいから、病院と病室教えて欲しいんだけど…」
行っても大丈夫だよね?と聞けば、
「面会は大丈夫みたい。でも、いつ目を覚ますかまだ分かんないんだって…」
えっと、病院と病室は…と、返ってきた。

知ってたとしても、実際に見聞きするのとではだいぶ違う。
大丈夫だと分かって聞いていても落ち着かない。
昨日の夜はまだ落ち着いてたのになぁ…





_17/42
PREV LIST NEXT
×
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -