05

気が付いたら丸1日たってしまっていたようで、よく寝れたな。なんて動かされて起きなかった自分にびっくりすると同時に、もしかしたら元に戻っているかも!!と思ったがそんな望みは一瞬で消えてしまった…
なぜなら、自分の手を見たときに変わっていないことがわかったからだ。

あーあ…と落胆していたら、お母さんが「そろそろ起きないと遅刻するわよー昨日行けなかったんだから今日は行きなさーい」有里さん家にきちんとお礼言うのよ〜と声をかけてきたのでのろのろと支度をし始める。





やっぱり高校の時の物なんてなくて、赤いランドセルが部屋の片隅に置かれていた。





ひとまず、昨日の男の子は有里湊君だと仮定して、ここはペルソナ3の世界なのだろうと考える。
たしか、彼は6〜7歳の時に両親を亡くしているから、昨日の家にいた母親らしき人は親戚のひとだろう。
この世界に、彼に、来れたこと、会えたことは素直に嬉しいけど…



っていうか、え、この世界って影時間だかニュクスだか何だかのせいで滅びかけるんじゃなかったっけ?…やばくないか?
むしろ私にペルソナを扱うことはできるんだろうか…できなくてもいいけどさぁ…せっかくここに存在してるんだし…ね?
でも、うーんまぁ、なんとかなるさ!って思い込んでこの世界を面白おかしく第2の人生よろしく生きてみようかねぇ〜。












え?昨日の暗い感じはどうしたかって?
そんなもの昨日の大量の涙と今日の朝のトイレと一緒に下水に流してやったわ。
つか昨日の自分恥ずかしすぎる!9才の子に慰めてもらうとか…いや、パニックだったし今は自分も9歳だし、しかたないちゃしかたないけれども…!!


話変わるけどショタ湊君めっちゃかわいかったなぁー…目くりっくりで髪さらっさらで女の子みたいだった…お持ち帰りしたかったなぁ…昨日は私がお持ち帰りされたがな!!
…傍から見ると私の発言犯罪臭いな〜





うんうんうなりながら支度していたら、家を出る準備が終わってしまっていた。
後はご飯を食べて、歯を磨いて出るだけだ。









「いってきまーす!」

昨日と同じように家から出る。
ただ違うのは、お母さんがちょっと心配そうに私を家の外まで見送りしている所だ。
その心配そうな顔をさせた自覚は一応あるので、罪悪感…
でも泣いていた理由を話すこともできないので私は気づかなかったことにして、元気に駆け出した。




とりあえず、今日の生きる目的は通学路で湊君に会えることを目標に駆け出して行こうと思います!噂をすれば影って言うしね!




「あ。」
「あ。有里君おはよう!!昨日はありがとうございました!」
「…おはよう。別に、たいしたことしてない」
「いーんだよ。それでも、わたしは嬉しかったから!ね、有里君いっしょに学校いこー?」
「…湊でいいよ…晴ちゃん」
「…!!うん!!湊君!」





やっべ。湊君の笑顔にやられたわ。
あの純度100%な笑み!!いいね。私もうあの笑顔のために生きるわ。





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