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学パロメローネとギアッチョ




※先生メローネと高校生ギアッチョ
※できてる













「最悪だっ」

じめじめしたバスを降り、早足で改札へ向かう。

鞄に入れた折り畳み傘はびしょ濡れで、ひたひたと雫をこぼしていった。

定期を乱暴にかざしてホームへ向かうと見慣れた金髪と目が合う。

やっべ

「ギアッチョ、今イヤホンかくしだろ」

出しなさい、と。


本当に今日は最悪だ。





「何で隣に座るんだよクソッ!」

「こんなの聴いてるんだ」

俺の音楽プレイヤーをいじるのは担任メローネ。

無駄に厳しい校則によってあっけなく没収された水色をにらみつける。

「メローネ、」

「先生つけなさい」

「もうここ学校じゃねぇし」

「ギアッチョは学校でもつけないでしょ」

電車がトンネルに入る。

「つまんね」

「校則は守らなきゃ」

「リゾットは見逃してくれるぜ」

「プロシュートにバレると割られるけどね」

「駅違うから」

「俺とは一緒でしょうに」

突然右耳に音を突っ込まれた。

流れこむのはラブソング。

「なんだよ」

「この曲好きだな」

曖昧な返事をして窓を眺める。

おいてけぼりにされていく街灯は目に痛い。

「今日は?」

「メローネん家行く」

「大胆!」

「ちげぇよ生物おしえやがれ」

「授業料はらってもらおうか」

「なっ………」

「ご飯つくってって意味だよ?」

「ばっ…わかってる!!クソッ!!!」

余裕ぶる態度に腹が立つ。

自分が子供ということを思い知らせされているようだ。

「あし、」

ペチン、と膝を叩かれてゆすっていることに気付いた。

「カルシウム足りてる?」

「うっせェ」

へらり笑って奴は俺の鞄に水色を戻す。

アナウンスが響き、奴は立ち上がった。

「ご想像通りの授業料もいただこうかな」


「どうぞ、メローネ先生」

騒いでいる情けない大人を横目に俺は鞄を肩にかけた。





バイオレット、レイン




「傘、出さなくていいよ」
改札を出たとたんに差し出された大きな傘にかこつけて、俺はメローネに寄り添った。




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