「おい、ナマエ」
「んー?」
「いい加減どけ、苦しい」
「……やだ」


今日は久々のオフ。俺は自室のベッドに寝そべって、デッキの調整やら明日のスケジュールやらを確認していた。するとノックもせずにいきなり部屋に入ってきたと思ったら、そのままこっちへ近付いてきて、うつ伏せの俺に勢い良く覆い被さってきたうえに、首に腕を絡めてきた。息苦しい事この上ない。


「ねぇ。今日の夕飯、何だと思う?」
「……エビグラタン。ほうれん草も入ってるやつ」
「当たり!さすが極東エリアチャンピオン様」
「馬鹿にすんな。そんだけ?」
「ううん、ミネストローネもあるよ。豆入りの」
「賞味期限ヤバかったんだろ、豆」
「ぎくっ」
「お前の事だ。どうせ特売だったからって理由で買ったんだろ。普段豆使った料理しない癖に」
「おお、よくご存知で」
「何年の付き合いだと思ってんだ」
「17年」
「おう」


デッキの調整が終わってもスケジュールの確認が終わってもナマエは断固として俺の上から退かない。首に絡み付く腕がさっきよりもキツくなっている気がしたので、ナマエが俺の横に倒れるように思いっきり転がった。



「やっぱり、湿気た面してやがったな」
「…バレてたか」
「何年の付き合いだと思ってんだ」
「…17年」
「おう」
また首に抱き付かれるのは勘弁だったから、今度は俺から先にナマエの頭を胸辺りに押し付けて、あやすように背中をぽんぽんと叩いてやった。






「後ね、今日のおやつはリンゴとキャラメルのパンプディングだよ」
「リンゴも傷んでたか」
「うん」






   




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