なぁ、なまえ。苦しい?苦しいだろ?そりゃあそうだよなぁ、俺にこうして首絞められてんだから。顔は血が上ってりんごみたいだし涙で濡れた眼はゼリーみたいで美味そうだし充血してうさぎみたいだし酸素を求めてぱくぱく動かす口は陸に上げられた魚みたいだ。

「……ふぉ…ッ、ぉ」

苦痛に歪んだ表情なんて腐るほど見てきたのに、何故だろう、なまえのそれは俺を欲情させる。力無く俺を睨む眼、俺への呪詛を紡ぎたくても出来ない口、恐怖で震える細い身体。今、なまえは俺を感じていて俺もなまえを感じている。これを幸福と言うのだろうかこれを愛と言うのだろうか。可愛い可愛い可愛い!獲物を喰う時のライオンはいつもこんな事を想っているのか。でもまだ俺はお前を喰べない。だからもっとなまえを感じさせて、俺を感じていて。











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