ヴィンセント×ブレイク





「帽子屋さん」

そっと名前を呼んでみて、振り返った彼に口付けをひとつ。

腕を捕って、逃げられないようにして。

見開いた瞳が可愛くて、怒りに染まる表情が素敵で、それらを充分に堪能した後、僕はゆっくりと顔を離した。

「な、なっ……」

いつもの人を食ったような顔じゃなく、信じられないという瞳。

君のその表情が好き。

「帽子屋さんは可愛いねぇ……」

「っ、……アハハっ、嬉しくないですネー」

「フフ、怖い顔」

ああ、その殺意を隠そうともしない顔の愛しいこと!

だから大好きなんだ、君のこと。



エイエンニカタオモイ
只今 一方通行


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