不破×鉢屋
*現パロ





朝、目が覚めると、味噌汁の良い香りがした。
薄く開いたドアの向こうからは、スリッパで歩く音。

まだ働かない頭で僕は、今日が日曜で三郎が朝ごはんを作ってくれてるんだと、ぼんやりと理解した。

大きなあくびを一つ。
寝癖がついた頭をわしわしと掻きながら、キッチンへと向かう。

案の定、キッチンにはエプロン姿の三郎がいた。
青いチェック柄のシンプルなエプロンは、新妻と呼ぶには素っ気ない気もしたけれど、三郎によく似合っている。

べつに、結婚したわけでもないけれど。
というか、できないし。

味噌汁の味見をしている三郎は、まだ僕には気づいていない。
納得いかないのか、首を傾げたりなんかしている。

その姿が健気で、かわいらしくて。

「三郎」

言葉とともに、背後から抱き締める。

「っ、!? ……び、びっくりした。…雷蔵、どうしたんだい」

三郎は突然の出来事に、お玉を落としそうになるくらい驚いた。
息を整えてから、柔らかに僕に問う。

「おはよう、三郎」
「ああ、おはよう」

まずは挨拶。それから無防備な首筋に顔を埋める。僕と同じ匂いがした。

「なんでもないんだ。ただ…」

急に抱き締めたくなった
title:Aコース

それだけ。


ああ、幸せだなぁ。

120319


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