鉢屋+不破





本日は素晴らしい曇天である。白々しい雲が青い空を全て覆ってしまった。

美しい。

故に、私の機嫌は最高に底辺である。

「どうしたの三郎?」

教室の机に頬を引っ付けていると、心配そうな雷蔵の声が聞こえた。
私は目を開けるのも億劫に顔を上げ、床に両手を突いて小さく切り取られた空を仰ぐ。

生気のない淀んだ灰白は、私のそれまで奪ってしまうようだ。

「私、曇り空が好きなんだ」



本日ハ曇天ナリ



11月メモログ


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