鉢屋×富松×鉢屋 富松君の告白に頷いた翌日、私の友人達は揃いも揃って間抜け面を見せにきた。 「三郎、三年の子と付き合うって本当か!?」 このやかましい声は八左ヱ門。唾を飛ばすな、汚いだろう。 「三年の子、じゃない。作兵衛だ」 仮にも私の恋人だ。名前くらい覚えろ。 「富松君、だっけ……」 控え目に聞いてくるのは雷蔵。さすが雷蔵、よく知っている。 「つーか鉢屋、犯罪じゃない? 十二歳だろ」 興味本位のこれは勘右衛門。むしろその発言が親父臭い。 「その子は豆腐が好きだろうか?」 そして豆腐馬鹿こと兵助の発言。無理矢理豆腐を入れるな。 みんな好きなことを言いやがって。 ……と、言うか。 「広がるの早くないか? うわさ」 「だってそりゃ、白昼堂々とやってたらさぁ」 と、勘右衛門。 ああ、つまり誰かに見られてた訳ね。にやけ具合を見ると、八左ヱ門か。 一発頭をはたいてから、釘を刺すように全員を見回す。 「私はともかく、富松君にはちょっかいかけるなよ!」 あの純朴な子が、こんな汚れた奴ら(雷蔵は違う)に絡まれて染まってしまったら大変だ。 「三郎は、富松君が大事なんだね」 真っ直ぐな瞳を思い出した。私はあの綺麗なものを守りたい。 「ああ」 強く頷いた。 純と不純 何よりも純粋だった。 [HOME] |