富松(と次屋)
※富松が病んでるのでとても注意!





























あはははは。
あははははははは。

止まない声が耳障りだったので、醜く蠢く喉を力の限り締め付ける。

そしたら今度はぐえ、ぐえ、とアヒルかカエルみたいな不細工な音に変わってそれがまた不快で滑稽で、思わず笑みを漏らしてしまう。

ぎりぎり、手が痺れるくらい力強く、息をする隙間もないくらい力一杯絞める。


ごろごろと喉仏が居場所を求めて暴れるのを押さえ付けて、座ってるのも辛くなってきたので冷たい床に助けを求めた。床は無機質で優しく、拒むこともしなかった。

抵抗する力が弱まったのか、締め付ける力が弱まったのかもはや真っ白となった思考では判断付き兼ねたが、ただ一つだけ解るのはこれがすごく気持ちいいということだった。

消去されるんだ、全て。

この醜い体も汚れた心も腐った思考も狂った思想も過去も未来もあの子もあいつもあの人も。


全部、なくなるんだ。


ほとんど感覚などなくなった自分の多分上の方から、熱いものが伝わった。

それが何か、なんてもう知りようがないけれど、だけどこれだけは汚くなんかない、と思えた。

否、思いたかった。

だけで、きっとそれすらも綺麗じゃないんだ。


ぼたぼた雨が降ったみたいに熱いものが流れてて、それが昔赤ん坊だった頃母が背中をさすってくれたみたいな温かさで、よく眠れそうだった。

どこか遠くで誰かが呼んでて、それはきっと次屋だけどごめん返事は出来そうにない。

だって、俺は、もう消えるから。

ごめんな。

もうなんにもきこえないんだ。

なんにもききたくないんだ。



さようなら、境界線


何度となく繰り返した児戯。

明日もまた断ち切れないまま目を覚まし、終わらない憂鬱と刹那的な快楽の間で、

また、遊ぶんだろう。


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