次屋×富松
*現パロ
(HappyValentine!)





すきだ、
だいすき、
あいしてる。

俺の恋人はそういう言葉をやすやすと口にした。


あほう、
いえるか、
はずかしい。

恋人が俺にもそういう言葉をせがんだ時には、いつだってそう答えた。


可愛いげがないなんて言われなくても知っている。

だけど柄じゃないだろう、愛を囁く俺なんて。
下らないプライドだってのも知ってる。


素直に気持ちを伝えれば、いつだって両手を広げて受け入れてくれる。

俺の恋人はそう言う奴だ。
良い奴なんだ。


対して俺はひねくれ者で意地っ張りで、素直になれないそんな奴。


だけど、今日のこの日くらいは。

俺は女子じゃないし、柄でもないけれど。

だけど、折角の「特別」な日なんだろう?俺だって勇気を出せばいいじゃないか。
あいつはいつも、そうしてくれるんだから。


「なぁ、三之助」


隣でぬくぬくと布団に包まっている恋人に、そっと声をかける。
相手は眠そうな目を動かし、無言で俺を促した。

破裂しそうなくらい騒がしい心臓を落ち着かせ、その目を見詰め返す。

頬が熱い。


「……好きだよ、大好き。三之助のことが、一番大好きだ」


いつもなら絶対言えない言葉。だけど、甘いものを贈るこの日なら。

愛しい人は一瞬だけ驚いた様な目を見せたけど、またすぐにいつもの顔になってから、嬉しそうに目を細めた。


「知ってる。俺も作兵衛が一番大好きだ。うん、……大好きだ」


知ってるとかさ、恥ずかしいんだよ、お前は。


ああ、お前のことが好きで、大好きで。息が苦しいよ。



恋人達の日にとびきり甘い言葉


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