次屋→富松
*次屋の独白





作兵衛、作兵衛。

俺がお前の前からいなくなったら、ちゃんと探してよ。

他の人じゃダメなんだ。


例えば、委員会の途中で皆がいなくなったとき。
藪を掻き分けて現れるのが、あの高飛車な先輩や暴君の委員長ではいけない。
ぼんやりとした二年生でも、しっかり者の一年坊でもいけない。

方向音痴の友達は有り得ないけれど、虫が大好きな友達や、勉強熱心な友達、不運な友達でも、ダメなんだ。

作兵衛でなければ。


例えば、いつも皆がいなくなるのが、世界に俺だけしか存在しなくなると言うことならば、その世界から救い出してくれるのは、他の誰でもなく、作兵衛じゃなければいけない。

別に、そうでなければ死んでしまう訳ではないし、そうでないことだってたまにはある。


だけど、嫌なんだ。

作兵衛がいい。
作兵衛が、いいんだ。


理由なんて解りきってる。
だけど無自覚な振りをして。


ほら、今日も皆がいなくなった。

だから。
作兵衛。
俺だけを探しに来て。


自覚な独占欲


100103


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