尾浜と鉢屋





「鉢屋」
「あ?」

俺はにっこりと笑むと、鉢屋の背中へ手に持っていたそれを放した。

「うひゃっ!?」

そいつらは、もぞもぞと鉢屋の背中を這い回る。
活きの良いのを取ってきたからね。

「勘右衛門! てめ、何入れた!?」
「イ・ナ・ゴ!」
「は!?」

「いやぁ、どんな反応するかなって思って…」
「意味わかんねぇし! 早く取れよ!」
「面白いから、嫌」

そうして俺は、目の前の男がいつも好んでする、にんまりとした笑みを浮かべる。
対して鉢屋は、いつも自分が見て楽しんでいるその顔をしていた。
怒り、困惑、泣きそうな顔。

ああ、楽しいな。


悪戯っ子
101025メモログ


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