財前→ユウジ





心理テスト



「ユウジ先輩」

「なんや、財前」

「今暇っすか? 暇っすよね? 暇に決まってますね。じゃあこれやって下さい」

「見事な決め付けっぷり! ……って、これ何?」

「ケータイの心理テストです。結構オモロイんで、暇つぶしにいいんすわ」

「へぇー。ほなやってみるわ」

「全部回答記入してから、まとめて結果出るんで。ま、じっくり考えてください」



――20分後



「よっしゃ、できた! あとは何? ここクリックすればええん?」

「はい。えらい時間掛かりましたね」

「おぉ。結構熱中したわー。おもろかったで。で、結果は……なになに?」

「あなたの性格はムードメーカーで社交的。でも、寂しがり屋ァ? …え、そうなんすか」

「なんで若干引き気味やねん。別に寂しがり屋ちゃうわ」

「小春先輩にベッタベタやし、合ってるっちゃあ合ってますか。せやけど一人やと弱いとか、……ウサギか」

「あんなー、ウサギは寂しくて死ぬわけちゃうねんで」

「はいはい。次。別れたとき。ずっと忘れられないタイプやって。新しく付き合っても前の人の方がよかったなとか……ああ〜、めっちゃぽいっすわ」

「だからなんで引き気味やねん。つか、別れることなんかないしな。俺は小春っていう永遠の恋人が…」

「黙れ」

「いったっ!? おまっ、先輩殴んなや。てか黙れてなんやねん!」

「次。結婚願望なし。ま、これは普通っすね。むしろこの年で有りとか言われたら引きますわ」

「こんだけ引いときながら今更やろ。むしろこっちが引くわ。つーか俺、小春となら余裕で結婚したいけどな」

「阿呆か」

「痛いっ!? これどつき漫才か! さっきから突っ込み厳しいで!」

「じゃあもっと常識をもって話してください」

「お前にだけは常識を説かれたくないわ」

「さて次。今度は下系の話ですね。恋愛におけるエッチの比重…ユウジ先輩、アンタ…」

「こ、これは占い! 必ずしも当たるわけちゃうやろ」

「せやけど、デートはエッチ以外は全てオマケとか…ホンマ引きますわぁ」

「だから! 俺がゆうたわけちゃうやろ!」

「しかも束縛するタイプとか、どんだけ」

「うっさい! でも次の見てみぃや! ストーカーには絶対ならんて」

「ユウジ先輩……この世に絶対なんてないんやで」

「遠い目で見んなや! てか、なんでそこだけ否定すんねん」

「ほら次来た。一生の内でエッチする人の数10人とか。ど淫乱の糞ビッチか」

「フォーティーン、言葉悪いよ! これリンゴの数書いただけやん。それで当たったら俺予知能力者やん」

「それでも10コとか、欲張りすぎでしょ? ホントのところわからんわァ」

「なんやねん、その極論」

「で、次。恋人から思われてること……なんスか、これ」

「力作やろ。記述とか言われたら書き切らんとアカンやん?」

「何がアカンのですか。これはないっすわ。“お前も一人なんか。生き物はなぁ、生まれるときも死ぬときも、皆一人やねんで。なにも不公平なことはあらへん、自分を惨めに思う必要もあらへんねん。心の中に大切な人を思い浮かべることができるなら、自分を誇りに思い。上っ面だけ人に囲まれてへらへらしてる奴よりもよっぽど、そっちの方がかっこええ。いいか、世間の目なんか気にすんなや。お前が信じる価値観、信じる人を、そして己自身を信じ抜くことが、大事なんやで。”って、これ、質問では犬に声かけるシチュでしたよね? 公園でこんな人いたらドン引きっすわ」

「どや!」

「なにそのええこと言ったやろ的などや顔。ホンマウザい。ええんすか? これアンタが恋人に思われてることなんスよ? しかも次もまた長文を…」

「“旦那ァ、確かに俺もイタズラしたんは悪いと思ってる。せやけどな、それにはキチーンと理由があんねや。旦那ァ、あんさん最近全然俺のこと構ってくれへんやん? 俺にとっちゃあんさんが唯一の頼りどころやのに、そのあんさんが俺をほったらかしにするて、なに? 俺はなにか? 所詮畜生か? 肉さえ食えればそれでええのんか。酷い男やのぉ。俺はあんさんのことだけを思とんのに、あんさんは俺をただの道具としてしか見てくれへん。それに気付いてしもたら、もう耐えられんかってん。どうしても、振り向いてほしい。俺は肉でも商売道具でもない、一つの命であり、あんさんを慕っとんねん。だから、あんなことしたんや。悪いことやとわかってるけど、でも俺はただの道具で終わりたくなかったんや! あんさんに気付いて欲しかったんや!! ……反省はしとるんで、ご飯下さいご主人様ァ!(まとめるの面倒になった)”ってこれ、恋人に謝るときの態度!? ウッソやーん」

「口調はともかく、内容はめっちゃ寂しがりで構って欲しがりで束縛してますね。やっぱさっきの当たっとるやん」

「違うねんて! これは豚さんの心境を代弁しただけであって…」

「代弁した時点でアンタの考えになってますよね」





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