財前→←ユウジ





「あれ、財前やん。こんなところで何しとんの?」

「ユウジ先輩。見たらわかるやろ、犬の散歩っすわ」

「へぇ、財前犬飼うとったんやな。意外」

「最近飼い始めたんすわ」

「なー、お前名前なんて言うん?」

「犬が答えるわけないでしょ。あ、そいつ顔近づけたら舐めますよ」

「うっわ! そーゆうことははよ言えや!」

「ははっ。ユウジ先輩顔べっちょべちょやん」

「そこ笑うとこちゃうでー。なあ、さっきからこのワンコ、お前が俺の名前呼んだら反応してるけど、なんでなん?」

「え? ……ああ。こいつ、ユウジって名前なんすわ」

「え、俺と同じ?」

「まぁ。……偶然ですけど」

「……そーか、偶然なんか」

「はい。たまたまっすわ」


偶然、たまたま、嬉しくて


‐‐‐‐‐
ユウジって名前は本当にたまたま。お母さんとか他の人がつけた。

120226メモログ


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