財前×ユウジ
(St. Valentine's day!)





「ユウジ先輩、明日何の日か知ってます?」

「バレンタインやろ。なんや、浮かれとんのか? モテるもんなぁ、財前くんは」

「いや、ユウジ先輩かて結構貰ってるでしょ。受け取らんだけで」

「そりゃそーや! 俺は小春以外からのチョコなんていらんからな!」

「女泣かせっすね。自分のチョコは受けとって貰えへん癖に、よぉできますわ」

「……なんで知ってんねん」

「そりゃ、見てましたから。先輩のこと」

「へ、」

「今年もあげるんですか。小春先輩に」

「と、当然やろ。今年のチョコはすっごい力作やねんで! 素材にこだわり、デザインも一週間悩み、練習に練習を重ね、味も保証付き!」

「…でも受け取って貰えへんねやろ? 意味無いっすわ」

「…………」

「(いや、そんな本気で落ち込まんでも……)……やったら、」

「あ?」

「……受け取って貰えへんかったら、俺が貰ったげますわ」

「……はぁ? なんでお前にあげなあかんねん」

「そんな力作やったら、捨てるん勿体ないでしょ。自分で食べるのも切ないやろし。せやから俺が有効利用したげます。……べ、別にあんたのチョコがほしいとか、あんたが可哀相とか思とるわけちゃいます、」

「いや、そんな弁解せんでも……。……アホ、財前顔真っ赤やし…」

「……ゆ、ユウジ先輩こそ、顔赤いっす」

「……お前に釣られただけや」


〇二一三、俺にとっての決戦日

“お前にやるんは、勿体ないからであって、他意はないんやからな!”

“俺かてさっき言った通り、他意はありませんよ!”



((嬉しいやなんて、とても言えへん!))


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