千歳×ユウジ





「なぁ千歳。俺と妹のミユキちゃん、どっちが大事なんや?」

「え? フツーにミユキたい」

「っ!! うっ、浮気かーっ! 死なすどーっ!!」

「わっ、なにも泣くことなか。心配せんでも、ミユキは家族としての“大事”ばい。ユウジとはベクトルが違うけんね」

「………俺は家族とちゃうん」

「うっ。(相変わらず嫉妬深い子だぁ。俺んこつ睨みよる目が鋭か…)……さ、さすがにまだ家族じゃあなかかな。ほら、まだお互い中学生だけん」

「……ふぅん」

「……なんが不満と? 俺は自分の将来も確定しとらんのに、ユウジを絶対幸せんできる、とか嘘は吐けんたい。ばってん、ユウジはそん言葉があれば、安心できる?」

「ちゃう。ちゃうねん。そんなんちゃう」

「だったら」

「千歳にはわからへんのかなぁ?」

「……ユウジがそぎゃん顔しとるっつーことは、わかっとらんのやろうね」

「俺はお前を困らせたいわけちゃうねん」

「うん、知っとうよ」



見えない愛を確認したいだけ

不器用な。


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