財前と謙也





「謙也さん、それなんの雑誌すか」

「料理本や。しばらくオカンが出掛けるからな、自分で作ろ思て」

「えっ、謙也さんて料理できるんすか」

「おー、まぁな。タコ焼きやったら任せときっちゅー話や」

「俺、料理とかできる子好きなんですわ。付き合ってください」

「は!? いや、いきなりキモいこと言うなやっ」

「冗談に決まってるやないですか。うろたえる謙也さんのがキモいっすわ」

「ホンマこいつ腹立つわぁ」

「どーもおーきに」

「褒めてへん!」


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