財前と白石、と謙也(財ユウ)





「白石部長、知ってます?」

「なんや財前くん、ヤブカラボウに。主語を言わな伝わらへんで」

「ユウジ先輩てね、あんなところにホクロあるんすよ」

「あんなところ? …ああ、左の肩甲骨あたりのやつか? あれ、色っぽいよなぁ」

「ちゃいます」

「え、じゃああれか? うなじんところの、二つ並んどるやつか」

「それもちゃいます。……え、まさか部長、知らへんのですか? それでよおユウジ先輩のこと好きやとか、言えますわ」

「なんや、どこのことや! 脇の後ろのやつか? ヘソの横のやつか? ユウジフリークとしては聞き逃せへんわ」

「残念、全部外れっすわ。正解は下半身の…」

「下半身の!?」

「…………なァんて、言うわけないでしょ」

「頼む! 教えてくれ!」

「あーあ、あんなとこにホクロあるなんて、ユウジ先輩ってホンマえろいすわ」

「お願いやから教えて! 財前くん!」

「ニヤニヤ。いやっすわ」

「…つーか、お前らフツーにキモいで。ユウジに聞かれたらドン引きやぞ」


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