もう二歳半になる俺の娘。 そんな娘は、なぜか俺には冷たい。 名前を呼んでも、すぐに嫁の所へ言ってしまう。 今朝も出勤時間が遅くなったので、その間に遊ぼうと思ったが案の定冷たい。 結局出勤時間が迫り、傷心気味になりつつ支度を始めた。 途端、娘の顔色が変わった。 急に俺に甘えだす。 困惑する俺に、嫁が言った。 「パパが今日は一日家にいると思ってたから油断しちゃったんだね〜」 玄関先で、嫁の腕の中で泣き出す娘。 まだまだ拙い言葉使いで、 「いかない、で〜。いかない、で〜」 と繰り返す。 俺は嫁に言った。 「俺、今日風邪ひいた」 嫁が笑顔で言う。 「いってらっしゃい」 凄まじく後ろ髪引かれながら出勤した…。 速攻で仕事を終え、全速力で家へと帰還。 娘はその日ずっと、俺にべったりだった。 娘が寝てから、嫁が言う。 「パパに甘えたいけど、素直に甘えられないのよ」 心底納得がいった。 なぜなら、 「なんだ、昔のお前か」 嫁は学生の頃、俗に言うツンデレだった。 今は落ち着いたけど。 そう言った俺に嫁は顔を赤くして、 「バカ…」 と言って俺を小突いた後、俺に寄りかかって甘えてきた。 なるほど、親子だな。 後書き:前半の娘とパパが可愛かったのでつい…。 後半は文留的蛇足で捏造です。 あと文次郎に嫁と言わせたかったのよ。 |