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にちゃんネタ
2012/01/16 01:31


その日は会社の都合で、昼には家に帰れることになった。
俺は留を驚かせようと、連絡をせずに帰ることにした。



家の近くまで行くと、家の前にタクシーが止まっている。
そのタクシーから、ケーキの箱を持った留三郎が降りた。
俺に気づく様子はなく、家の中に入っていった。


俺は家に上がって、どのタイミングで出よう伺った。
留というと、どういう訳か上機嫌な様子で手の込んだ煮込み料理を作り始めた。
昼間から手の込んだ料理を作る時は、なにかの記念日ぐらいだ。
生憎俺には思い当たる記念日がない。
どちらかの誕生日でもなければ、結婚記念日でもない。

結局俺は驚かすことはやめ、後ろからそっと声をかけた。

振り返った留は目を見開いて俺を見た。
と、思ったら途端に泣き出して俺に抱きついた。

「どうしたんだ?」

俺は慌てて声をかける。

「今日は、早く帰って来て欲しかったから」

珍しい。普段はそんなことを言わないのに。
留は俺を見上げて、なぜか嬉しそうに微笑む。

「あのね、」






 子供できたの






言葉の意味を理解した瞬間、俺は留を力一杯抱きしめた。
柄にもなく、少し泣いた。


結婚して三年。
そろそろ子供も欲しいと思っていた頃だった。
驚かせようと思ったのに、まさかこんな形で驚かされるなんて思わなかった。

別に神様を信じている訳じゃないが、この時ばかりはこいつと巡り会わせてくれたことと、子供を授かれたことに頭ついて感謝したくなった。







という訳で、夫婦で妊娠ネタでしたー。
苦手な方はごめんなさい。
書くとネタバレになっちゃうから…。
あと二人に合わせて色々改変してあります。
きっと文次郎は言葉に出さなくても心底喜ぶんだろうな。