俺はいつもの様に、先生の仕事が終わるまで準備室に居座っていた。 先生の邪魔をしない様に、俺は勉強するふりして、先生の仕事姿をこっそり見つめた。 いつも俺に向ける優しい顔じゃなくて、真剣な横顔。 仕事してるから当然だけど。 でも時々、俺にもその顔を向ける時がある。 そんな時の俺は、甘い痛みに胸の奥が支配されて、息が少しだけ荒くなる。 そしてそのまま、俺にキスして…。 ………あ、どうしよう。 キスしたい。 今すぐキスしたい。 でも、ここじゃダメだ。 分かってるけど、でも…。 俺が机に突っ伏して悶々と悩んでいたら、いつの間にか先生が目の前にいた。 「どうした?」 不意打ちで俺の視界に飛び込んで来た先生。 きょとんとした顔で俺を見る先生に、俺は思わず、つい勢いで言ってしまった。 「先生…。キス、したい」 言ってしまった。 自分から言ったくせに、恥ずかしくなって顔を伏せてしまう。 先生から見たらきっと今の俺は面白いぐらい赤い。 先生は何も言わない。 何も言わない先生に不安になって、やっぱりいい、と言おうとする前に。 先生に顎をすくい上げられて、キスされた。 驚いて一瞬目を見開いたけど、すぐに閉じて先生のキスに集中した。 触れる温度だけで溶けそうになる。 俺は先生の白衣の襟元を握り締めた。 でも、それで終わり。 触れるだけのキスをして、先生の唇は離れてしまう。 軽いキスに俺は不満なって、俺は襟元を強く握り締めた。 「先生、なんで?」 俺が眉間に皺を寄せて先生を見る。 先生は少し妖しく笑うと、眉間の皺にキスを落として、俺の耳元で囁いた。 「続きは、帰ってからのお楽しみだ。それまでいい子に我慢しろよ?」 【潮江先生にキスをねだってみたら、すぐにキスをしてくれたが少し触れるくらいの軽いものだけだった。もっとしてくれてもいいのに。】 という診断結果でした。 受けがちょっとだけ攻めに欲情しちゃうのが好きです← でも直接的なあれじゃなくて、キスしたいとかそっち。 直接的なのは攻めの方。 受けも思う時はあるけどね! |