今日は久々に、先生の家に遊びに来た。 アポなしで。 急だから構って貰えないかもという覚悟は一応したけど。 まさか見事に的中するとは。 俺は先生の背中を見つめて、小さく溜め息をついた。 俺はソファーに寝そべって、仕事をする先生の背中をただ見つめていた。 そりゃ急に来た俺が悪いけど、やっぱりまったく構って貰えないのは寂しい。 それでなくてもこの所、先生と二人っきりで会えてない。 向けられる広い背中が、今は恨めしい。 だんだんぼんやりしてくる思考で、俺は身体の赴くままに動いた。 その広い背中に、気がつくと後ろから抱きついていた。 先生は何も言わない。 何も言わないってことは別にこのままでもいいのかな。 先生相変わらず温かい。 その温かさにつられて、俺はいつしか肩に額を預けて寝入ってしまった。 はっと目が覚めた。 時計を見ると一時間以上寝ていたらしい。 そして驚いたことにそのままの体勢だった。 先生の背中に抱きついたまま、俺は眠り続けたらしい。 「目、覚めたか」 先生と肩越しに目が合う。 テーブルの上にはもう、書類の類はなかった。 もう仕事はとっくに終わっているらしい。 つまり、今の今まで動きたくても動けなかったんじゃ…。 俺は慌てて先生から離れた。 「ご、ごめんなさい。抱きついたまま寝て…」 しどろもどろで謝る俺の頭を先生は優しく撫でてくれた。 「大丈夫だ。お前の寝顔が可愛かったしな」 先生は笑いながらそう言って許してくれた。 先生に甘やかされているのを肌で感じて、俺は少し照れ臭くなってまた先生背中に抱きついていた顔を隠した。 赤くなった顔を、先生に見られたくないから。 【潮江先生を後ろから抱きしめてみたが、眠かったのでそのまま肩に額を預けて寝てしまった。目が覚めるとまだ抱きしめたままだったので、慌てて謝ったら笑いながら頭を撫でてくれた。優しい。】 という診断結果でした。 |