兵「…ぐすっ……ひっ…」 店「…あのー…」 兵「ずびっ…ひぐっ……」 店「あのーお客さん?聞いてます?」 兵「…今いい所なんで邪魔じないでぐだざい!」 店「いや、あの…」 八「兵助の奴、マジ泣きなんだけど…」 勘「兵助はあれで意外と感受性豊かだからね〜」 雷「勘ちゃん、そういう問題じゃないと思うよ」 八「まぁ、千歩譲って泣くのはこの際いいとしてよ」 三「立ち読みで泣いてる時点で良くないだろ」 八「三郎、取り敢えず良しとしようぜ。それにしたって…」 兵「…ぐずっ…いい話だなぁ…"豆腐を訪ねて一万里"…」 雷「…あれってほのぼの系で、むしろちょっと笑える話じゃなかったっけ?」 勘「幻の至高の豆腐を訪ねて歩くのに感動したんじゃない?」 三「それ、あいつしか感動できないよな」 八「…一万里って何キロだ?」 雷「えっと、おおよそ四万キロかな」 八「ほぼ地球一周かー。そんな長い距離を旅するなら感動出来る…のか?」 三「ただ単に世界一周して豆腐探ししてるだけだろ。どんだけ豆腐好きなんだ」 勘「そんなの今更でしょ」 雷「でもどうする?兵助、あのままにするの?」 八「うーん。真剣に感動してるみたいだし、邪魔しちゃ悪いだろ」 三「邪魔なのはあいつだろ。周りの客ドン引きだぞ」 雷「そうだね、ハチ。あのままにしておこっか」 三「雷蔵が言うなら仕方ない」 勘「相変わらず変わり身が早いね、鉢屋は」 兵「うぅ〜…はんなりぃ〜!」 店「いや帰れよ」 この後兵助は、保存用、実用、布教用に三冊買いましたとさ。 本屋で感動ものを立ち読みして泣く兵助 ※兵助限定で感動もの。 ツッコミは三郎の仕事。 |