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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -

十九話後のテニス部三年side




※会話文のみ


「仁王今日はよくも騙してくれたな」

「……プリ。何のことじゃ?」


「お前が腕折れたんじゃなかったのかよ。折れたふりしてアイツに世話してもらってよ!」


「その話詳しく聞かせてもらおうか。
あの子を騙してお世話してもらったの?」

「そうだぜぃ!代わりにノート書いてもらったり、二人きりで飯食いに行ったり」


「も、もう過ぎた事じゃ。……まさか泣くなんて思わんかったけど」



「その話俺にも詳しく話してもらおうか」

「…………」



「女性を泣かせるなんて最低だね」


「うっ!……も、申し訳ありません」

「柳生、今のはお前に言ったんじゃないぞ」


「絶対許さねぇ!……って言ってたぜぃジャッカルが」

「俺かよ!言ってねぇよ。てかその事初めて知ったっての」


「ちょっかいをかけてやるのは良いが、泣かすのは良くないな」

「そうだね。さぁどんな罰を与えてあげようか、仁王」


「赤也みたいにちょっとからかっただけぜよ……」

「あいつは何で泣いたんだ?」


「本当に腕が折れた、テニスが出来ないと思ってたみたいでのぅ、嘘だと分かった瞬間……泣いたぜよ」

「つまりテニスが出来ることにホッとして泣いたんだな」

「そうナリ」

「……優しいですね、あの方は」


「じゃあ仁王にはグラウンド百周してもらおうか」

「えっ!そりゃないぜよ」

「去年お前は赤也に走らせていただろう」

「……はい」


「じゃあそろそろ練習を始めようか」

「おー!」

「ドンマイだな仁王」

「頑張ってくださいね」


「……走ってくるぜよ」



「仁王、何言ってるんだい?



君はレギュラーの二倍の練習をして、部活が終わってから走るんだよ?」



「え"……」


「仁王の体力ではキツイだろうが今回はお前が悪い。しっかり罰を受けろ」

「フッ、自業自得だ」

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