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その後の話まとめA




▽スモーカーと出会う

 ドレスローザでドフラミンゴを倒したことにより、私の手配書は出回った。しかも赤髪海賊団に所属していることも、どこからかバレているらしい。そんな中、街を歩いていたスモーカーさんとばったり出会った。私を見るなり彼は目をカッと開いた。

「名前、こいつはなんの冗談だ? 赤髪のとこに入ったってのは」
「え、こわっ……怒ってます?」
「ああ。まさか海賊になるなんてな。それも四皇だと?」
「私の事捕まえます?」
「おれは海軍だからな」
「フッフッフッ! 簡単には捕まりませんよ。あ、待って。今、ドフラミンゴの笑い方になってましたよね!? 笑い方うつった!? さいあく!」
「相変わらず話がコロコロ変わるやつだな」

 呆れる彼の姿はとても懐かしく感じて、大きな体に抱き着くとピシリと固まった。

「何の真似だ」
「大好きです、スモーカーさん。海賊になっちゃったけど、私は昔みたいにスモーカーさんと一緒にご飯食べに行ったり笑いあったりしたいです」
「……海軍を抜けなきゃ出来ただろうが」
「分かってます。ごめんなさい」
「でもまァ、生きてて良かった」
「スモーカーさァァん!!」



▽スタンピード 海賊万博に行く

 船に名前の姿が見当たらず、シャンクスはヤソップに話しかけた。

「なあヤソップ。名前どこ行ったか知らねェか?」
「名前なら散歩に行くって言って船から下りたぜ。聞いてなかったのか? お頭」
「海賊万博のポスター持って嬉しそうに下りてったな」
「ホンゴウ……って、何で誰も止めねェんだ!?」
「「まァそのうち戻ってくるだろ」」

 お頭は自由なクルーに頭を抱えた。



「屋台のお菓子全部おいしそー! 海賊万博サイコー! 何から買おうかな。シャンクスに黙って来て正解だった。絶対こんなとこ行ってくれないもんな」
「久しぶりだな、お嬢さん」
「あれ、クロコダイルさん。お久しぶりです」
「何しにここに来た」
「そりゃあお祭りを楽しみに。わたあめ、リンゴ飴、カステラにアイス何から食べようか迷ってるんですよね」
「クハハハハ! 呑気なお嬢さんだ。海賊王の宝より菓子の方が喜びそうだ」
「海賊王の宝? あんまり興味ないですね」
「それでいつになったらおれと手を組む気になるんだ?」
「え? あー……ごめんなさい。もう入っちゃったんですよねェ」
「あ? ……どこのどいつについた」
「赤髪のシャンクス」
「チッ、趣味がわりィな」

 そう言って彼は去って行った。私がクロコダイルの手を取ることはない。だって彼は……他人を信用していないから。きっと使えないと思われたら捨てられる。でも頂上戦争の時は手を貸してくれたし、何かお礼はしないとな。
 目当てのものを買って食べていると、椅子に腰かける見知った顔を見つけた。

「二人とも何してるんですか!?」
「名前!?」
「名前さん!?」
「海軍って海賊万博に来て良いんでしたっけ? あ、もしかして二人もこっそりお祭りを楽しみに?」
「何でここにいるのかは聞かないでおくが、おれ達はお前と同じ目的じゃないことは確かだ」
「名前さん! お久しぶりです!」
「久しぶりです! たしぎさん」
「おいたしぎ、海賊と馴れ合うな」
「え、あっ、すみません……」
「スモーカーさんは冷たいんですからァ。休暇中でしょう。一緒に遊びましょうよー」
「こっちは忙しいんだ。お前に構ってる暇はねェ」
「えー、いいもん。一人で楽しむから。スモーカーさんのケチー」
「……」

 スモーカーは怒りで持っていたコップを割った。



 鳩を乗せた男の背中に声を掛けた。以前ウォーターセブンで見た時とは格好も雰囲気も、強さも違う。

「ルッチさん、お久しぶりです」

 振り向いた彼は冷たい目をしていて、これが本来の姿かと少し悲しくなった。

「私の事覚えてます? ……あ、もしかして船を買わなかったから怒ってますか? すみません、実は大きな船に乗せてもらうことになって買いに行けなかったんです」
「おれは船大工ではない」
「そんな声してたんですね。もう鳩の腹話術はしないんですか? ルッチさんとはもっと仲良くなりたかったな」
「馬鹿にしているのか」
「やだなァ、仲良くなりたかったっていうのは本心ですよ」

 お堅い人だなァ。もういいもん、かまってあげないもん。


▽コビーを見つける

「こび、」
『海賊と馴れ合うな』

 不意にスモーカーさんの言葉が脳裏をよぎる。それに以前コビーには聞いたことがある。私が海賊になったら私を捕まえるか、と。自分は海軍だからと彼は答えた。……でも、我儘かもしれないけどコビーの事は好きだし、前みたいに話したい。
 彼がひとりになった時、後ろから声を掛けた。

「コビー」
「名前准将!?」
「もう私は海軍じゃないよ」
「今まで一体どこに……」
「そんなの聞かなくても知ってるでしょ」
「名前さんの口からじゃないと信じられません」
「今は赤髪海賊団にいるよ」
「そう……ですか」
「また昇格したんだってね。おめでとう」
「ありがとうございます。……少し、待っててください」

 彼の言う通りにその場で待っていると、少しして戻ってきたコビーの手には二つのアイスクリームが握られていた。

「どうぞ」
「ありがとう。アイス好きだから嬉しいんだけど何で急に。急に食べたくなったの?」
「アイス、また今度一緒に食べようって言ってくれたじゃないですか。とっ友達、だから……」
「覚えててくれたんだ」
「当たり前です!! ……それなのに、約束してたのに……名前さんは黙って行ってしまうし、海賊になったって知ったのもついこの間で。それまで生きているのかさえ分からなくて心配したんですよ!?」
「えっとー、ごめん?」
「もっと謝ってください!」
「えー!?」



▽クザンが黒ひげ海賊団に入ったと知った

 よりにもよって何で黒ひげの下に……。あいつは白ひげ海賊団を裏切ってエースを海軍に引き渡した男だ。

「シャンクス。何でクザンさんが黒ひげの下についたのか聞いてきていいかな」
「駄目だ」
「っ、なんで!」
「お前だって分かってるだろ。行ったところで追い返されるか、最悪ティーチに見つかって殺されるぞ」
「私はアイツより強い! ……クザンさんには敵わないかもだけど」
「いいか、名前。自分を過信しすぎるな。おれのこの傷をつけたのはアイツだ。どんな手段でお前を捕まえようとするか分からねえ。危険な場所に行くな」
「……分かった」



「それで拗ねてるわけか」

 誰かに愚痴を吐きたくて、偶々近くにいたライムに愚痴を吐き出した。

「べっつにー」
「お頭が言うんだ。従っとけ」
「じゃあ電伝虫で聞く」
「ああ……って連絡手段あんのか。そもそも出ないだろうよ」
「もしもしクザンさん?」
『あー、名前ちゃんじゃないの。元気?』
「出んのか」

「元気だよー。それでさ、クザンさん……黒ひげの下についたらしいね」
『あらら。知ってんの。まー、形はねェ』
「クザンさんが何を考えてるのとかあんまり興味ないけど、私は船長の許可が下りたら、黒ひげをやりに行くから。私の邪魔はしないでね」
『……相変わらず真っ直ぐな子だなァ』

 ガチャ、と電伝虫を切る。言いたいことを言えたしまあいいか。隣でライムは何故か溜息を吐いていた。

「お前本当に元海軍か?」
「今は海賊だもん」
「へーへー」



▽麦わらの一味と再会 ルフィ・フランキー

「あーーー!! お前は!!」
「なんだ、フランキーと知り合いか?」
「知り合いも何も、昔ウォーターセブンで金出せって脅してきたボスだ! 見た目がすっごい変わってるけど私には分かるぞ! だましても無駄! コイツ悪い奴!」
「なにー! そうなのかフランキー!」
「アーン? あァ、あん時の嬢ちゃんか。あん時は悪かったなァ!」
「奪った金返せ!」
「おれァ奪ってねェぞ? そもそも嬢ちゃん、金持ってなかっただろ」
「あれ? そうだったかな?」
「シャンクスのとこに入ったってほんとか名前!? おれの船に乗るって言ってただろ!」
「乗るとは言ってないよ。記憶を改造するのはやめな」
「オメーら似た者同士だなァ」




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