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海軍基地で訓練




霖さんからの頂き物。



なんでもない日、サニー号の修理件メンテナンスの為。ただそれだけのはずだった。
誰が想像しただろうか。停泊した島の守り人が、そこにいるはずのない人だったということを……


天気は快晴。釣りを楽しむ者達。みんなの食事を作る者。読書する者。船を操縦する者。天気・海の流れを読む者。
船のメンテナンスにいそしむ者。筋トレに励む者。そして、それをうっとり眺めるもの……

「あー、眼福。さすがだねゾロ!」

「……お前、いつからいたんだよ。」

朝食後、筋トレに励むゾロを眺めて癒されるのが最近の私の日課になっている。

「素振りのあたりからかな。うん!今日も最高だね!その二頭筋と大胸筋!」

「ほぼ初めからじゃねえか!声をかけろ!名前」

そう、ゾロを見るのが日課ではなくゾロの筋肉を眺めるのが本当の日課である。当初は怒鳴られていたが、ゾロも諦めたのか、慣れたのか最近は怒鳴らなくなった。良い傾向である。

「いいじゃない。減るものじゃないんだし。それより、どうぞ続けてください。私の癒しの為に。ね?」

「なんで名前の為なんだよ。これはおれがおれの為に、強くなるためにやってることだ。おれは大剣豪になるんだからな。」

そういいながらもどっか行けとは言わず、眺めていることを許してくれるんだから優しいんだよね。そんなこと考えながら鍛錬中のゾロの大胸筋、二頭筋、大腿筋全身眺めている。あー癒される。
そんな時、急に下から大きな音と揺れが起きた。

「なんだ!!敵襲か!名前大丈夫か!?」

「だ、大丈夫。びっくりした。何事?」

ゾロと共に鍛錬室から下に降りると、敵襲でないことはすぐに分かった。

「何したのよ。ルフィ、ウソップ。大丈夫?」

そこには何か爆発させたのかアフロで真っ黒こげのルフィとウソップがいた。大したけがはしていないようだが、おそらくこの後に大けがになるだろう。
ナミとフランキーがすごく怖い顔で二人の後ろに立っているのだから。チョッパー呼びに行こ。二人共生き延びてね。

「チョッパー、救急箱持って甲板に一緒にいってくれる?」

「やっぱり敵が攻めてきたのか!?誰が怪我したんだ?」

「あー違うよ。約二名が何かやらかして、これから怪我するんだよ。」

「どういうことだ?」

チョッパーに説明しようとしたとき、甲板からナミとフランキーのとてつもなく大きな怒鳴り声が聞こえてきて、同時に鈍い音も数度。
それでチョッパーも何か察したのか、何も聞かず一緒に甲板に戻った。

「あーやっぱり。」

そこには顔面は腫れ、頭には大きなたんこぶが出来上がった二人がいた。
でも、ナミはともかくなんでフランキーまで?めったに怒らないのに。わからない。近くにいたロビンに聞くことにした。

「ねえ、なんでフランキーまであんなに怒ってるの?」

「あの二人、新しく開発した大砲玉をつくったみたいで、それを試そうとして失敗したのよ。面白いわね。」

ふふっと笑いながら説明してくれた。なるほどね、確かにサニー号の柵が壊れてる。そりゃ怒られるわ。自業自得だな。
ナミはまだ怒ってるし、フランキーは泣き出してる。その中でチョッパーの治療受けながらまだ懲りずに大砲玉の事考えてるウソップは感心するわ。
ルフィは落ち込んでるけど。ゾロはいつの間にか鍛錬に戻ってるし、ロビン、ブルック、ジンベエは温かく見守っててもはやカオスだな。
そのカオスから脱却するきっかけを作ったのサンジだった。

「ナミさん、そんなに怒っていては美しい顔が台無しですよ。これでも飲んで一息つきませんか?」

「はあ、ありがとう。サンジ君。」

「おい、フランキーいつまで泣いてんだ。壊れたもんは仕方ねえだろ。修理にどれくらいかかるんだ?」

「おーいおいおい。おれの、おれのサニー号が。……修理には一〜ニ日あれば直せる。」

「ドンマイ、フランキー。元気出して。何ならあの二人に手伝ってもらえばいいよ。そういえば修理ってどっかの島に停泊したりしなくていいの?」

「そりゃス―パーに停泊できた方が早く完璧に修理はできるぜ。」

「そう、わかったわ。この近くに停泊できそうな島が一ヶ所だけあるの。そこに行きましょ。」

そんなこんなで麦わらの一味はとある島に向かうこととなった。それが波乱の幕開けとは知らずに。

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とある島の大きな訓練所のような学校のような建物に一人の大柄な初老の男性がいた。
テーブルの上の名札には海軍基地 海兵養成所臨時署長と書かれている。ドアが三回ノックされ入れと返答する。

「失礼いたします。お疲れ様です。本日海軍本部より特別訓練指導員として派遣されました。コビー大佐とヘルメッポ少佐ただいま到着いたしました。」

「よう来たの。久しぶりじゃな。元気しとったか?」

「ガ、ガープ中将!?な、なぜこんなところに!」

「がはは、わしも本部に頼まれての。ここの臨時署長を押し付けられたんじゃ。」

「そうでありましたか。改めましてお久しぶりでございます。短い間ですが宜しくお願い致します。」

「そうかそうか。なら、どれだけ強くなったか、どれ。わしが直々に見てやろう。」

「えっ!い、今からでしょうか?私たちも一応指導員としてきているのですが……」

「なんじゃ、いやだとでもいうのか?」

「い、いえ!とんでもありません。宜しくお願い致します。」

コビー、ヘルメッポ二人とも顔が引きつっているが断れるわけもない。訓練兵を指導する前に自分たちが訓練する羽目になるとは思っていなかったと二人でこそこそと話していると首根っこを掴まれ連行された。
その段階で色々諦める二人だった。

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その頃の麦わらの一味はというと……
とある島に停泊し、船番をだれにするかでもめていた。

「フランキーが修理でいるんだから、船番はフランキーじゃダメなのかよ。」

「一体誰のせいでこの島に来てるのよ。それに修理に集中してたらできないわよ。馬鹿じゃないの。」

「ヨホホホ。船番はわたくしがお引き受けしましょう。」

「じゃあわしも残るとしよう。特に用事もないしの。」

「いいのか?ありがとう。ブルック!ジンベエ!じゃあ決まったことだし、冒険だー!!!」

「あ!こら!ルフィ!待ちなさい!まったく、うちの船長は子供なんだから。」

何だかんだみんな笑ってあきれている。無事に船番が決まり、私はチョッパーと一応護衛役のゾロと観光に、ウソップとサンジは各々目的の買い出し、ナミとロビンは島の調査、フランキーは修理件メンテナンス、
ブルック、ジンベエは船番。ルフィは言わずもがな行方不明。日没までにはサニー号に戻るということになった。

「チョッパー早く行こう。ゾロも。はぐれないでね。」

「それは名前だろう。おれははぐれたりしねえ。」

「楽しみだな!名前!早く行こう!」

私たち三人は意気揚々と島の中央に見える建物に向かって歩きだした。サニー号から町まではそんなに遠くはなくすぐに到着した。
町はどこか普通の町とは雰囲気が変わっており、楽しい、明るいというより引き締まった雰囲気の町である。

「なんか変わった雰囲気の町ね。なんだろ。でも綺麗な町。」

町全体は白と青を基調としており清潔感にあふれていた。素行の悪そうな人も一切見当たらない。
名前、チョッパー、ゾロの三人は町を散策し楽しんでいた。

「名前、おれこの店が見たいんだ。だから別の所見て回っててくれ。多分時間がかかりそうだ。おれはそのままサニー号に戻るよ。」

「そう?分かった。ゾロはどうする?ってあれ、いない。さっきまでいたはずなんだけど。またはぐれた。」

「そうか、だったらおれここは諦めるよ。ゾロ探しに行こう。」

「ううん。大丈夫。一人で探すよ。チョッパーは薬屋さんなんでしょう?ここ。ゆっくり見てきてよ。」

「……いいのか?じゃあお言葉に甘えてそうするよ。ありがとな。」

そうしてチョッパーと別れゾロが行きそうな店を探してうろうろしていると、まったく見当もつかない場所に来てしまった。
周りには店舗はなくどこか学校や訓練所のような建物ばかりになっていた。

「あーやらかしちゃったかな。ゾロの事言えないな。ここ何処だろ。誰かに町の方向聞かなきゃ。」

そう思い、人を探しながら歩くも誰も見つからない。本気でやばいと思い始めたころ、金属音や話し声が聞こえてきた。
音のする方へ向かうとそこには……

「……ここ海軍じゃん。どうしよ。」

一人青ざめる名前であった。

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一方、島の調査をしていた二人はというと、

「ねえロビン、この島なんか訓練とかで使われている感じしない?」

「ええ。私もそう思うわ。おそらくここは訓練用のフィールド。そしてこんなところで訓練を積むということはおそらく。」

二人はまだほかの一味が観光や買い物を楽しんでいる時にいち早く海軍基地ということに感づきいったんサニー号に戻っていた。

「フランキー!サニー号の状態はどう?修理は終わった?」

「スーパーに終わってるぜ!今は健康診断中だ!」

「フランキーそれは中止して!みんな呼んでくるから戻り次第すぐに出航するわ。ここは海軍基地よ。」

サニー号に残っていた三人はすぐに出航の為の準備をはじめ、ナミが町に呼びに行くことになった。ロビンは念のため周囲に海兵がいないか再度確認に向かった。

「おー!ナミ!どうしたんだ、そんなに慌てて。ちょうどサンジも今さっき合流したんだ。今会計してるよ。」

「ウソップ!よかった。すぐに見つかって。よく聞いて。ここは海軍基地みたいなの。すぐに出航するわ。急いで四人を探さないと。」

「ナミすわーん!今日もおいしいごはん作るからね。いい食材が手に入ったんだ!」

「そんなこと言ってる場合じゃねえ。サンジ!ここ海軍基地らしい!早えとこルフィ達探さねーと。」

「なにー!それはやべえじゃねえか。ナミさんサニー号の状況は?」

「それは大丈夫。修理は終わって今出航の準備中よ。」

三人は手分けして手始めに三人組を探す事にした。まさかバラバラになってるとも思わず。海軍訓練所に迷い込んでるとも思わずに。

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「……なんであいつらいねえんだ。またはぐれやがって。探すか。」

ゾロは街中で一人迷子中。自分がはぐれたとは一切考えておらず、自分が危険なところにいるかも全く気が付いていない。要するに今に関しては護衛としてはポンコツである。
サンジに見つけてもらうまで同じ区画をぐるぐると回っていたゾロであった。

「おい、くそまりも!こんな裏路地でなにしてやがる!名前ちゃんとチョッパーはどうした!?」

「あ?くそコック。てめえこそこんなところに何でいやがる。気が付いたらいなかった。あいつらがはぐれたんでいま探してる途中だ。」

「おい、よく聞けよ。ここは海軍基地だ。名前ちゃんがあぶねえ。どこではぐれたとか検討つかねえのか!」

二人はケンカしながら街中に戻っていく。サンジが誘導しながら。現状を把握したゾロはおとなしくついていくことにした。すごく不機嫌そうに。

同時刻ごろ、ウソップもチョッパーを見つけていた。

「チョッパー!よかった。無事だったんだな。」

「ウソップ!見てくれよ!珍しい薬草が手に入ったんだ。これで安心だ!怪我しても大丈夫だぞ。」

ご機嫌なチョッパーに事情を説明し、海軍基地であること、三人別行動になったことを互いに共有しいったんサニー号に戻ることにした。名前が帰っていることにかけて。

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「……とりあえずダメもとできいてみるか。」

私は顔を知られていないことにかけて思い切って建物に入っていった。一番近くの受付に行き声をかけると。

「はい。この用紙を記入してください。記入出来ましたら右手に箱があるのでそこに入れてください。そのまま、奥に進み広場でお待ちください。」

どういうこと?道を聞きたいだけなんだけど、こんな手続きいるの?なんで?とりあえず言われたとおりに来たけど。

「げっ。」

何で海兵だらけじゃん!なんでこんなところに‥‥‥絶対今日の恰好のせいだ。今日は白地に青ラインのセーラー風の服装だから、海兵と勘違いされてるんだきっと。
どうする。どうやってサニー号に戻ろう。ルフィ達に知らせないとだし。

「なあなあ!これから何するんだ?楽しいことか?」

待って、すごく聞きなれた声がするんだけど!こんなところでしちゃいけない声がはっきり聞こえるんですけど!
私は恐る恐る声のする方を見る。あー、やっぱりルフィだ。なんで高額賞金首がこんな海軍基地の中にいるのよ。一番いちゃダメでしょうが。というより、周りの海兵は何故気が付かないのよ。それも不思議だわ。

「今から大佐と少佐が本部から特別講師として訓練を付けてくださるんだ。もう忘れたのか?これは志願制なのに。」

本当に言ってる?そんなの私自殺行為なんですけど!?どうにかしてルフィと逃げないと。
こんなところでルフィの名前は呼べないし、知り合いとして話しかけても絶対ルフィならうっかり名乗りそうだし。どうしたものか。
そんなこと考えていると、

「全員敬礼!よろしくお願いいたします!」

指導員が入ってきたようだ。本格的にやばい!さすがに上層部はルフィの顔を知っているだろうから……
え、なんでぼろぼろなの?特別講師なんだよね?やめて、思考奪うの。気になっちゃうじゃん。しかも、まくり上げた袖から見える前腕の筋肉の付き方も最高だし。
って違う違う、逃げる方法考えないと。

「だ、大丈夫ですか?!一体何が、、、」

1人の海兵が問いかけた。

「あはは、大丈夫です。ここに来る前に僕たちも署長代理と訓練してきただけですから。では、さっそ…く、はじ……えっ。なんで、何でいるんですか!?ルフィさん!!!!」

「おおー!久しぶりだな。コビー!」

「え、こんなところにいちゃだめですよ。ルフィさん!」

なんだ、知り合いなのか?‥‥‥まって、コビーっていった?コビーって大佐だっけ?でバイトの時に助けてくれたあのコビーさん??あ、ほんとだ。あのピンク髪に額の傷はそうだ。ボロボロすぎて気が付かなかったや。

「コビーさん!お久しぶりです!またお会いできて嬉しいです!ほんとにもっと言ってやってください!いつも突拍子もない事しでかすんですから。」

「名前!なんだお前も来てたのか!」

「名前さんまで!お久しぶりです!ぼくのほうこそまたお会いできて嬉しいです!ってそれどころじゃないですよ。早くここから出ないと。」

そうだ。いくら友達といえど敵は敵なのだから。どうするんだろう。

「えー。ここおもしれえからもう少しいる。これから訓練なんだろ?どんな事するんだ?」

ルフィは興味津々でコビーと話している。周囲も怪しんではいるが、コビーの友達と分かると警戒心が一気に減少した。
そりゃそうだ。高額賞金首と特別講師としてくるくらいだからそれなりの地位があるだろう人物が友人な訳が無いのにとか考えているのだろう。

「ルフィは訓練受けるの?だったら私は見学しようかな?」

運よく筋肉みれたりしないかな。私はのんきにそんなことを考えていた。というより考えることを放棄した。ナミたちが必死に探していることなど考えず。
しばらくして訓練が始まり、コビーはルフィの事を上司に報告せず、一緒に訓練を開始している。

「そういえば、ここに来る前に訓練してきたって言ってたけど、どんな人なんだろ。でも容赦なさすぎなきもするけど。」

「そうか?訓練なんてあんなもんじゃろ。あいつらの訓練は甘いわ。」

「そういうもんなのか。ってだれ!?」

ひとりごとに返事があってすごくびっくりした。そこには大柄の初老の男性。ガープが立っていた。

「が、ガープ中将!お疲れ様でございます。」

訓令兵がみんな敬礼している中ルフィはしておらず、どことなく顔色も悪いような、、、。
ガープはコビーらの所に行き、訓練内容が易しすぎると拳骨が落ちている。見てる方がいたい。

「それから、なんでお前はここにいる。ルフィ。」

「じ、じーちゃんこそ何でいるんだよ。」

「ようやく改心して海軍になることを決心したのか?関心関心。わしが稽古をつけてやろう。」

「俺は海賊王になる男だ!!海兵になんてならねえ―」

「!!!自白しちゃった。どうすんのよ。ルフィが捕まっちゃう……待って今なんて言った?じーちゃん???」

「いって―!なにすんだよ!」

「何って訓練じゃ!実戦形式のな。わははは。ほれ、次々いくぞー!」

待って待って!色々突っ込みどころありすぎて思考が追いつかない!じーちゃんって私が知ってるじーちゃんでいいの?それしかないよね!

「ルフィって海軍の中将さんの孫ってこと?これは逃がしてくれたりするかな。というより中将さんって、偉いのかな。」

淡い期待が徐々に出てきたところで、コビーが飛んできた。

「だ、大丈夫?」

「あはは、大丈夫です。お怪我はありませんか?」

「私は大丈夫。あの、ルフィと戦っているステキな筋肉をお持ちの方は?じーちゃんって呼ばれてるみたいだけど。」

「ああ、あの方はガープ中将です。俺たちの師匠であり、ルフィさんのおじいさまで間違いないですよ。ちなみにここの署長代理です。」

やっぱりそうなんだ。ってそれってだいぶお偉い方じゃない!見逃してくれといって見逃してくるだろうか?

「おれは海軍にはならねえ!おれは海賊王になる男だ!」

「……まったくいうことを聞かん孫じゃな。今回だけじゃ。そこの嬢ちゃんに免じて見逃してやる。とっとと去れ。」

「いわれなくてももういくさ。名前帰ろう!」

「え、いいの?確かに見逃してくれるのはありがたいけど。」

「いいと思いますよ。中将が言っていることですしね。出口は来た道を戻ってもらって、外に出れたらあとは分かると思いますよ。」

「ほう、賞金首を見つけていながら仲良く訓練していたものの割にいっちょ前の口をきくでわないか。のう、コビー。」

「え、いえ。あのこれはですね。……申し訳ありませんでした。」

あれは後でだいぶ絞られるだろうな。なんか申し訳ないな。でも有難くお暇させてもらおう。

「えっと、お世話?になりました。失礼します。待って、ルフィ!」

「早く来い!サニー号に戻るぞ!」

二人で海軍基地を急いで後にした。後ろからとても鈍い痛そう音が数回聞こえたが、、、聞こえなかったことにしよう。
外に出ると初めに目指した建物が見えていた。上を向けばよかったのか。そしたら海軍に関わらずにすんだのか。

「こんなところにいた!!あんたたち急いでサニー号に戻るわよ!」

「おう!ナミー!そうだな。逃げるぞ!」

「ナミ!迎えに来てくれたの?ありがとう!そうだね急ごう!」

ナミは何で急いでいるのか説明していないのに理解している私たちを不思議そうに見ている。
私は走りながら、海軍基地に迷い込んだこと、ルフィのおじいさんがいたこと、訓練に参加して友達にあっていたことを説明した。
ナミは案の定あきれてため息をついていたが、どこか楽しそうにしている。

「あっ!サニー号が見えてきた!みんな―!ただいまー!」

みんなの顔が見える。安心したような、待っていたといいたそうな、早く来いと言わんばかりにこちらをみて待ってくれている。
ルフィ、ナミと共にサニー号に勢いよく乗り込む。すると、

「出航だー!!」

ルフィの声が響き渡る。無事に帰ってきたのだと安心する。あんな大変なことがあっても楽しくいられる。
船が動き出し、島が遠くなるにつれてだんだん安心しだしたとき、海軍の船が後方から近付いてきていることの気が付く。

「こちらじーちゃん!次にあった時は容赦なくとっつかまえるからそのつもりですごせよ!ルフィ!!」

ガープさんの声が聞こえよく見ると再びぼこぼこ状態のコビーらが横にいた。だいぶお叱りを受けた様子。
ルフィは返答はしないもののにししと笑っている。そんな船長につられみんな笑っている。

釣られて私も笑顔になる。こんな日常が続いていったらいいな。困難も乗り越えいつでも笑える日々が。

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