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サバゲー




「サバゲー?」
「そうよ! うちの別荘でやるわよ!」

名前に電話をかけるなり動きやすい服装に着替えてと園子は言った。サバイバルゲームを理解していない名前は訳のわからないまま支度し、集合場所とされた阿笠邸へ向かった。


園子は昨夜サバイバルゲーム特集をテレビで見てすっかりハマってしまい、そして自分もやりたいと早速準備を進めたのだ。誘ったのは、名前、蘭、コナンの三人。博士と哀の二人は見てる方が面白いと不参加だ。

「最低八人は欲しいところよね」
「ってなるとあと四人? 子供達呼ぶ?」
「ダメよダメ! これは戦争なの! ガキなんか来たらただのお遊びじゃない」
「コナン君も子供よ」
「人数が足らなかった時のために仕方なくよ」

園子と蘭の話を聞きながら、名前はサバイバルゲームについてスマホで調べていた。

「(戦争って……。そんなに危険なゲームなの?)」

サバイバルゲームとは、二チームに分かれ戦闘エリア内で戦い、両陣にある敵の旗を取った方が勝ちとなる。簡単に言うと陣取りゲームである。エアソフトガンを使用し撃ち合い、弾が当たればヒットコールをして戦闘エリア外へ退場する。

「(成る程。何となく分かった)」

「園子姉ちゃん、サバゲーってエアソフトガンを使うんでしょ? それって初心者ばっかりじゃ危険じゃない?」
「そこはちゃんと考えてあるわ。銃は水鉄砲を使うのよ!」
「へぇ! それなら誰でも出来そうね」

「持って来たぞー」

博士と哀が複数の水鉄砲をテーブルの上に並べる。その周りに皆が興味津々に群がった。

「ただの水鉄砲じゃつまらんと思ってのぅ、この水鉄砲から出た水で衣服や肌が濡れると、真っ赤に染まるようになっとる。
それに水鉄砲の水は敵にかすめても分からん時があるじゃろ? しかしこれは少しでも敵に水が当たればたちまち水は真っ赤に広がる」
「本物の血みたいになってるんだー」
「しかも撃たれたところが重くなるから、痛くはないが本当に撃たれたかのような錯覚に陥るぞ」
「ひゅー! リアルー」

「洗濯大変そうだね……」
「洗濯機で回せば落ちるから大丈夫よ」
「すごいな博士」

使う武器はある。しかしゲームをするのにはまだ人数が足りない。

「博士と哀ちゃんはやるの?」
「いいえ。見てる方が面白そうだから見学よ。別荘の室内には全体が見れるモニターもあるみたいだし」
「わしも見学じゃ」

「(誘えそうな人……。快斗と青子は皆と面識ないしなぁ)」

「世良さんは?」
「隣に住んでる沖矢なんてどう?」
「園子の彼氏の京極さんは?」

と、次々と名前が上がり全員に声をかけることになった。世良真純は蘭から連絡を受けた瞬間すぐに単車で到着した。園子の連絡で京極真も来た。隣に住む沖矢昴を誘いに行くのは名前だった。

インターホンを押し、ドアの前で待つ名前。少し待つとガチャリとドアが開いた。

「おや、名前さん」
「あの急なんですけどもしお時間あれば、皆でサバイバルゲームしませんか?」
「サバゲーですか。あ、もしかして昨日のテレビの特集観てたんですね」
「はい。私じゃなくて園子ちゃんが観てたみたいで。でも本格的なものではなく水鉄砲でやるんです」
「楽しそうですね。レポートも終わったところですし、参加しますよ」
「わっ! やったあ」

沖矢が参加してくれるとは思っていなかった名前は、顔の前で両手を合わしパッと笑顔になった。それを見て沖矢は口角を上げた。

二人で阿笠邸に行くと、先程名前が挙がっていなかった人物が立っていた。

「こんにちは」
「あああぁ安室さん!? ど、どうしてっ……!」

コナンの引きつった顔を見て恐らく呼んだのは園子だろうと名前は思った。そして安室透が加わり合計八人となった。人数が揃ったところで早速園子の車と博士の車を出し、別荘へと向かう。

山の方にある別荘まで向かうのに数時間かかる。園子の車に乗った名前は爆睡していた。彼女は車に乗ると大体寝てしまう。そんな名前に呆れた顔をした園子と蘭はサバゲーについて話していた。その話に安室が加わる。

話が盛り上がっている中、車が揺れた弾みで傾いていた名前の頭が隣に座る沖矢の膝の上へ落ちた。

「あら、名前ったら大胆」
「もう園子そんな事言ってる場合じゃないでしょ。すみません沖矢さん、起こしましょうか?」
「いえ大丈夫ですよ。気持ち良く眠っているのでこのまま寝かせてあげましょう」

膝の上にある頭を撫でながら沖矢は二人に返事をした。蘭と園子はニヤニヤと頬を緩めていたが、安室は怪しげに沖矢を睨むように見つめていた。

数時間後、車は大きな庭のある家の前に停まった。此処が園子お嬢様の別荘のようだ。

「名前さん、着きましたよ」
「ん、うんん……。ん?」
「起きてください」
「おっ沖矢さん!? 何で、膝枕!?」
「名前ちゃんが沖矢さんの膝に倒れてきたのよ。沖矢さんずっと膝枕しててくれたんだから」

蘭からの説明で名前の顔は真っ赤になり、勢いよく沖矢に頭を下げた。

「すすすみませんでした!」
「いえいえ。可愛い寝顔でしたよ」
「ほ、ほんとすみません……」

「皆集まってー! くじを引いて下さーい!」

園子は作ってきたくじ引きを皆の前に出す。そしてチームはこうなった。


園子、世良、安室、名前
蘭、沖矢、コナン、京極



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