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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -

もし立海ではなく氷帝にトリップしてたら




只今私は部室にいます。
個々はただの部室ではなく、氷帝のテニス部の部室です。
冷房がついていて快適……ってそんな話じゃない。


『ハァー……』

何でこんなことに……。




ーーーー遡ること十分前。








********************



トリップかぁ……。
まさかこのお金持ち学校にトリップするとはなぁ。


そんなことを考えながら廊下を歩いていた。
曲がり角を曲がったら自分の教室。


上の空で曲がった私はある人にぶつかってしまった。




「アーン?」



ああああ、跡部景吾!!?
あばばばば!!どどどどうしよう!!


『すすすすぃすいませんででした!!』



怖くて顔を下げたまま謝罪し元来た道を走る。
あぁ、教室から離れる……。


まさかあの跡部様と呼ばれる人気キャラにぶつかるなんて!!



「行け樺地」

「ウス」


あれ?何か聞こえた。

『えぇぇぇ!?』

後ろ向いたら樺地が追ってきてるんですけど!!
え、何で?







「……ウス」

はい、捕まりました。




「てめぇは目を見て謝罪出来ねぇのか」

『…………すいません』

むむむ無理なんだよ!男子苦手なんだよ!
一瞬だけ跡部を見てまた下を向く。


すると跡部が一歩ずつこっちに前進してきた。
なので私も一歩ずつ後退する。

「……」

『……』

「男性恐怖症なのか?」

『……ににに苦手なん、です』

「そうか」



良かった何処かに行ってくれる、とホッと胸を撫で下ろす。
しかし違ったみたいだ。

「樺地」

「ウス」





『……え"?うわっ!!』



何故か樺地に担がれた。

暴れて落ちるのも怖いので何もしなかったが、わけの分からない状態のまま地面を見つめていた。




********************


そして今に至る。
テニス部の部室に連れてこられ放置。


『で、私はどうすれば』


するとガチャリとドアの開く音と複数の声が耳に入ってきた。
声からすると多分レギュラーだ。

あーやだなぁ、とりあえず端の方で立っとこう。



「跡部、どこにおんねん」

「アーン?……チッいねぇ」

よし、気付いてないみたいだ!
このままここから出て行ってくれー!


「端の方にいますよ」

『っ!!』


な、何してくれてんだキノコ!
というかレギュラー勢揃い!?

すると心の声が聞こえていたかのように、日吉はムッとした顔でこちらに向かってきた。

そして頭にチョップを入れた。


『痛っ!』

「何しとんねん日吉」

「いえ、馬鹿にされた気がしたので」


うぅ……こ、怖い…。やだこのキノコ。


「クソクソ跡部!コイツは何で連れてきたんだよ!」

そう言ってピョンピョン跳ねる岳人。
か、可愛い。




「あぁ、この女はこの俺様にぶつかっておいて……いやそれはいい。
この女は男が苦手だそうだ」

「それが何なんだよ」


ずっと黙っていた宍戸が口を開いた。
うん、私も同じこと思ってました。








「そこでこの女をうちのマネージャーにする」








「「「「は?」」」」


『え?…………えぇ!?』





ど、どういうことなんだ。
むむむ無理だよ、何言ってるんだよ!


「何でそうなるんですか」

「日吉の言う通りやわ、なんでやねん」



「今はレギュラー以外の奴がドリンクやタオルの用意をしてるのは知ってるだろ?
うちにもそろそろマネージャーが必要だ」

「そこでレギュラーのファンではなく、寧ろ男が苦手なこの女をマネージャーにするって訳か」


宍戸は此方を指差しながら言い、跡部は口角を上げこくりと頷く。

は、早く逃げ出したい。
こんな大人数からの視線、耐えられない。



「というわけだ。
今日からお前をうちのマネージャーにしてやる」


『むむむむむ無理です!!』

そして何で上から目線!?
こんな男が多いとこ無理だってば!

確か二百はいるんだよね?ここのテニス部。


「マネがいてくれると助かるよ!
大変だと思うけど頑張って!」

「まぁ諦め」

「なんかわかんねーけどドンマイ」

鳳、忍足、岳人の三人は私がマネになることに賛成したみたいだ。
いやしないけどね。



「んん……」

「起きたかジロー」

「跡部〜この子だれ〜?」

「コイツは今日からうちのマネになった」

「マジマジ!?うれC!
ねぇねぇよろしくねー!!」

『ぇ……』

か、可愛いいいい!!
どどどどうしよう断れないじゃないか!

「マネとしての活動は明日からでいい。今日は見学でもしていろ」

『いや……あの』


したくないんだってば。
うぅ、言える勇気がない……。

「お前さ、テニス好きか?」

急に宍戸が聞いてきた。
テニスが好き……?

まぁ元ソフトテニス部だし好きだけど。

ん、ちょっと待って?
マネになるってことは近くで皆のテニス技が見れるってことで。
じゃあ私すごく貴重な体験が出来るんじゃ……。

『好きです……!
やっぱりマネします!』


「フッ。やっぱりマネしますって、お前がマネする事は決まってた事だろ?」

「俺も手伝える事があったら手伝うし頑張って」


D1優しい……。
皆こんな優しかったらいいのに……

「俺は反対です。
今までマネなしでやってきたじゃないですか。今更必要ありません」


グサッ。
やっぱりキノコやだ。この人冷たい。

「跡部は人を見極める力がある。
まぁなるようになるわ」

忍足は日吉の肩に手を乗せてそう言うが、日吉はまだ納得してないみたいだ。

そして私が不安な顔をしていたのに気付いたのか鳳が小声で話しかけてしかけてきた。

「大丈夫だよ。
日吉はちょっと意地っ張りなとこもあるけど、中身は優しい奴だから」

それは知ってるんだけど、ツンが多くてやだ。
私はデレが欲しい。




「練習を再開する。
お前はベンチにでも座ってろ」

『は、はい』



そしてレギュラーと一緒に部室を出て、テニスコートへ向かう。



トリップしてまだ混乱中の私だけど、何とか……多分やっていけそうな気がします。










もし「Noウェイ!?とりっぷ」の夢主が立海ではなく氷帝にトリップしてたら。

A.初日からマネージャーになる。

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