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今日の占いは最下位ですか?

(柳side)

授業の終わりを告げるチャイムが鳴り響く。俺は教室から出て部室へ向かう。今日は、いや昼休みはと言うべきか……らしくない事をしてしまった。
まさか中学一年で両親がいないのには驚いたが、それより咲本はどうやって生活しているのだろうか。やはり祖父母や親戚の家に世話になっているのか。……一人暮らしという確率もある。
昼休み言ったことを思い出す。咲本は俺を頼るだろうか。……ハァ、全く今日初めて会った奴に俺をこんなに心配させるとは。咲本 ひなた、不思議な奴だ。

「フッ、もっと知りたくなるな」



「誰の事を知りたいの?」
「っ!……精市」
「珍しいね柳がボーとしているの」
「……」
「で、誰の事?」

笑顔で精市が聞いてくる。これは素直に答えた方が良さそうだな。

「この間転校して来た一年の事だ」
「そんなに興味が湧くような子だったのかい?」
「まぁな。男嫌いで変な女子だった」
「……もしかして咲本さん?」
「!知っているのか?」
「昨日の昼休みに少し話しただけだよ。面白いねあの子」
「あぁ」
「ちょっといじめたくなるなー」
「……」

咲本、すまないが俺にはドSな精市を止める事は出来ない。何かあっても自分で頑張るんだ。
と心の中で検討を祈りながら、俺と精市は部室に入っていった。



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放課後かぁ、今日はテニス部見に行かなくてもいいかな。多分ずっとトリップしたままだと思うし。学校探険するのも楽しそうだけど寄り道でもしようかな。
学校を出ようと門に向かうと左から目立つ髪色をした人が走ってくるのが見えた。
ーー丸井 ブン太だ。
走っている先にはコートがあるから今から部活という事がわかる。さて、どうしよう。

一、門まで走る
二、門とは逆方向に走る
三、目を合わせないようにする

……二番かな。これが最も安全じゃない?そうと決まればダッシュ!




「あっ!お前は!!」

き、気付かれたぁぁぁあ!何か後ろからブン太が追いかけて来るんですけど!

『何故ーっ!』

「逃げんじゃねー!」

『じゃ、じゃあ追いかけないでくださいぃぃ!』

「お前が逃げるからだろぃ!止まれっての」

止まったら絶対会話しないといけないじゃん!距離近くなるじゃん!無理だよ耐えれないよ!! チラリと後ろを向くとすぐ近くにいた。流石テニス部レギュラー……じゃなくて、ヤバイ頑張れ私の足!私だって元の世界では運動部だったんだからなー!




『負けるかー!』






……はい負けました捕まりました。当たり前ですよね。




「お前さ、この前も今も人の姿見て逃げようとするとか失礼だろぃ?」
『……はい、すみません』
「下向いてないでさ人の顔見て謝るのが礼儀ってもんだろぃ?」
『…………』
煩いやつだなぁ全く説教か。いや私が失礼な事してるのは分かってるんだけど。
一瞬だけブン太の顔を見てまた顔をそらす。

「はっ?え、早っ!」
『……』

か、帰りたい。もう帰っていいかな。でもまた逃げたらもっと怒られそうだからなぁ。ハァ、緊張し過ぎて手が若干震えてる。

「まぁいっか。今度からは逃げんじゃねーぞ」
『……はい』
「んーそうだな、次からは俺を見つけたら挨拶しろぃ」
『はい……って、へ?』
「あ、部活!やっべー怒られる!!じゃあな」
『え、ちょっ!は?』

ブン太は焦りながらテニスコートに走っていった。ななな何で挨拶しないといけないんだバカヤロー。会わないように頑張ろ。
ハァやっと帰れる。ブン太のせいで一気に疲れた。さて寄り道するぞー!

学校から家の距離は歩いて十分くらいで着くけど、近所がまだスーパーぐらいしか知らないし色々見て回ろう。





『お腹減ったなぁ』

商店街を歩きながら何か食べ歩き出来そうな物を探す。


『クレープでも食べよ』

美味しそうなクレープを買って食べながらふと思う。ここって神奈川なんだよなぁ。どうせならテニプリの他のキャラも見てみたい。また休日に東京に行ってみようかな。




ーーーーベチャ。





『……べちゃ?あれ、クレープに乗ってたアイスがない』

下を見ても落ちてない。一体私のアイスは何処に消えたんだ?



「……オイ」
『はい……!?』

私のアイス発見!何だこんなところに……って違う違う!
アイスを誰かにつけてしまった。あれ待ってこの白い制服見たことある。恐る恐る顔を上げてみると……

「テメー何してくれんだ、あ"ぁ?」
『!?』

あぁぁぁ亜久津 仁!どどどうしよう!よりにもよって何でこの人!?めちゃくちゃ怖い、怖いよ!まさかの七話で死亡フラグ……!

「オイ聞いて『すみません!今すぐ拭きます!そしてケーキ奢ります!!』……」

フッこの人がモンブラン好きなのは分かっているのさ。ってカッコつけてる場合じゃない。私がつけてしまったアイスを綺麗にハンカチで拭き取る。

『まだ残ってる……こんな白い制服に、あぁぁどうしよう』
「チッ、もういい」
『えっでもまだ汚れて……』

亜久津は舌打ちして私に背中を向けて歩き出した。許してくれたのかな。


「何突っ立ってんだ。早くケーキでも飯でも奢れや」

…………了解です。




今日の占いは最下位ですか?


(よそ見して歩いちゃ駄目だな)

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