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新しい友達

「初めまして。水無月(みなづき) 綺乃(きの)です。よろしくお願いします」


そう言ってぺこりと頭を下げる美少女は、うちのクラスの転入生だ。サラサラの金色の髪に抜群のスタイル。この子にクラスの男子の目は釘付けだ。女子の私でもうっとりしてしまう程、とても綺麗な子だ。



不意に水無月さんと目が合い、肩がビクッと震え上がった。目を逸らせずにいると彼女はにこりと微笑んでくれた。慌てて頭を少し下げるが頭を上げた頃には彼女は先生に言われた席に移動していた。


『(良い子そう……)』


笑みを向けられたことで心が温まった私に、「何ニヤニヤしてるの?変だよ」とチーちゃんのきつい一言をいただいたので机にうつ伏せた。




休み時間は水無月さんの周りには人がいっぱいだった。他のクラスの人達も廊下から此方を覗いていた。整った顔に誰にでも優しい対応。水無月さんの噂は学校中に広まった。



昼休みになると水無月さんは何故か私とチーちゃんの元にやって来た。


「水無月 綺乃です。良かったら仲良くしてほしいな」

「海野(うみの) 千栄(ちえ)よ。よろしくね」


『あ、えっと、咲本 ひなたです』


「名前で呼んでもいいかな?」

「うん。いいよー。ひなたちゃんもいいよね?」

『うん』

「私のことも名前で呼んでくれると嬉しいな」


うわぁぁぁあ!こんな美人さんと仲良くなれるなんて嬉しいな。勿論チーちゃんも可愛いけどね。



「それでね、食堂の場所教えてほしいの。ダメかな?」

「全然いいよ。ね、ひなたちゃん」

『うん』


水無月さ……きのちゃんが食堂でご飯らしいので、私とチーちゃんはお弁当を持って食堂まで案内してあげた。


「じゃあ買ってくるね!先食べててもいいからね」

「いってらっしゃーい。……きのちゃん良い子そうだよね」

『うん』


席につきながら二人できのちゃんを見る。



「きのちゃんには慣れそう?」

『多分大丈夫……』


「そうなんだ。良かった」

『ありがとチーちゃん』




「ひなた!」

『わわっ』



ブン太にいきなり背中を押され心臓が飛び出そうになった。振り向くとブン太と仁王がいた。


「よう」

『こんにちは』

「こんにちはー」


「ひなたの友達?」

『そうです』


「良い友達一号ぜよ」

「へぇ〜。良かったなひなた」

『は、はい!』


「確か……海野じゃった?」

「はい。合ってます」


ほんわかした雰囲気が漂う。仁王がチーちゃんに向ける目はとても優しい感じがした。




「あの、ひなたちゃん。ちえちゃん」


横からかかった声はきのちゃんによるもので、定食の乗ったお盆を両手で持っていた。


「うわっ、すっげー美人」

「ありがとうございます」


ぼそりと呟いたブン太の一言にきのちゃんがお礼を言う。すると横にいた仁王が「初めて見る顔ぜよ」と私の耳元で話してきた。


『えっと、今日私のクラスに転校して来た……』

「水無月 綺乃です。よろしくお願いします」


ニコリと笑うきのちゃんはとても可愛くて私が男だったらすぐに惚れてしまいそうだ。


「俺、丸井ブン太な。んでこっちが仁王」

「ふふっ、よろしくお願いします」


「あ、パン買わねーとなくなっちまう」

「相変わらず食い意地がはっとる奴じゃ。じゃあの」


仁王は顔を逸らしながら私の頭をくしゃくしゃと撫で、売店に走って行ったブン太の方へと歩いて行った。


「ひなたちゃん仲良いんだね。あの人達と」

「まぁマネージャーだしね〜」

『う、うん』

「私、転校してきたばかりで友達少ないからあの人達とも友達になれるといいな」








きのちゃんは勉強は少し苦手そうだったが、運動神経は抜群だった。それに加えてこの容姿に明るい性格。きのちゃんはすぐに沢山の人に好かれていった。私とは真逆の人間だと思う。


放課後になり、チーちゃんとわかれた後きのちゃんに声をかけられた。


「今日は色んな部活の見学に行くの」

『きのちゃん運動神経良いから……何でも出来そう』


「そんな事ないよ。でも部活には入りたいなぁ」

『その……良い部活が見つかるといいね』


「ありがとう。ひなたちゃんのマネージャー姿見てみたいな」

『えっ、そんな大した事してないよ』

「また後で見に行くよ。どこの部のマネージャー?」


『えっと、男子テニス部』

「そっか。じゃあまたね」


鞄を持ち教室から出るきのちゃん。女友達が増えてとても嬉しい。顔がニヤつくのを抑えながら、私はテニスコートへと向かうのであった。




新しい友達


(マネの仕事も)
(がんばろう)





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