ショッキングカップル
「素敵なあなたへ出会いのプレゼント。ショッキングカップル!」
『……はぁ』
宍戸と一緒に仁王に連れて来られたのはショッキングカップル開催場所。
仁王について行くんじゃなかった。仁王のバカヤロー!!
どうやらこの企画は男女五人ずつ参加して質問を出し合い理想の恋人を見つけるらしい。
堀尾達が司会をする中、集まったメンバーはこうだ。男子が千石、宍戸、不二、神尾、一氏。女子が竜崎、小坂田、橘、咲本、金色。
とりあえずツッコミたいこと……何故小春が女子側にいるの。まぁ誰もツッコまないならいいけど。
そういえば四天宝寺も来てたんだなぁ。青学と氷帝は勿論来ていると思ってたけど、他にも山吹に不動峰もいるのか。沢山のキャラが一気に大集合したみたいで面白いな。
そんなことを考え一人の世界に入っていると、杏ちゃんが早速質問を出した。
「好きなタイプはどんな子ですか?」
そして男子側が順番に答えていく。
「いやー、どんな女性でもオールオッケー!あはははっ」
「……別にねーよ」
千石はいつも通りだよなぁ。宍戸はまだ仁王のこと怒ってるのかな。すると司会の堀尾がどこからかノートを出し、口を開いた。
「えーと、宍戸さんの好みのタイプは生意気そうでボーイッシュな子らしいっす!」
「なっ!どこからのデータだよそれ!!」
「それは言えないっす!」
生意気そうでボーイッシュか……私とは正反対な性格の子だなぁ。
「仕草の美しい人かな。あと指の綺麗な人とか」
「え、笑顔の可愛い子……」
「小春や!」
仕草が美しくて指の綺麗な……ハァ、仕草か。それに私は指が長いわけでも女の子らしく手が小さいわけでもない。
そして神尾は答えるのに顔が真っ赤だ。あ、杏ちゃんだからか。納得。
ユウジは、言うと思ってた。堂々と答えたユウジに対して小春は他の皆を見て目をハートにしていたが、それは気にしないでおこう。
「じゃあ君達女の子の、好きな男のタイプは〜?」
そして千石が質問をしてくる。
……え、どうしよう。好きな異性のタイプ。考えたこともなかったから、分かんない。
「えぇっと、テニスが上手くてかっこよくて……」
と桜乃ちゃんから順に答えていく。
何て答えようかと悩んでいると、客席から私を呼ぶ声が小さく聞こえた。後ろの客席を見てみると、何故か立海メンバーが全員揃っており私を呼んだのはブン太だと分かった。
「タイプは俺って答えろぃ!」
……何でだよ!!思わず心の中でつっこんでしまった。お決まりのウインクにピースでかっこよく決めるブン太に赤也がつっかかっていた。何してるんだあの二人。
呆れていると不意に幸村君と目が合い幸村君はニコリと微笑んだ。……美しすぎてクラっとしかけた。
立海の皆がいるなんて知らなかった。めちゃくちゃ恥ずかしいんだけど。
「ひなたちゃん」
横から杏ちゃんに呼ばれハッと我に返る。どうやら私の順番が回ってきていたようだ。
『……えっと』
かっこいい人。優しい人。うーん何ていうか……
『惹きつけるテニスをする人』
私がそう言うと周りがぽかんとしている。言ってから恥ずかしくなってきた!顔が熱い。変?変なのか!?
立海の皆の反応を見るために後ろをチラリと見ると、皆何故か得意顔……つまりどや顔。柳はノートに書き込んでるし。
穴があったら入りたい。小春が質問に答えている間も私は顔を伏せていた。
そして次に質問したのは朋ちゃんだった。そういえば桜乃ちゃんとも朋ちゃんともまだ話したことないなぁ。二人とも可愛くていい子だし今の私と同じ年だしちょっと話してみたいなぁ。
「じゃあテニス以外の趣味って何ですか?私はリョーマ様にしか興味ありませんけど!」
「と、朋ちゃん……」
堂々と言う朋ちゃんにそれを見て焦る桜乃ちゃん、可愛い。
「俺、占いとか好きだよ〜。今日の君達の運勢は……「いえ、いいです」」
千石の誘いをきっぱり断る朋ちゃん。凄い。本当リョーマにしか興味ないんだなぁ。千石は大袈裟に肩を落とした。
「ひなたちゃんはどうどう?」
『えっ、と』
いきなり千石に話をふられて驚いた。占いのことだよね。私もいいと断ろうとしたら「後で一緒にまわろうよ!その時教えるね〜」と言われた。待って、私何も言ってない。
そして次に宍戸が答えた。
「テニス以外興味ねぇよ」
「えぇっと、宍戸さんの趣味は……ビリヤードらしいっす!」
また堀尾が宍戸について答える。何でそこまで知ってるんだろう。どこのデータだ。
「またかよ!お前喧嘩売ってんのか!?」
「ひぃ!違います!!」
「僕は写真をよく撮るよ。サボテンも好きだな」
何故か不二君は前からサボテンのイメージが強いんだけど、何でだろう。
「俺はカラオケ。……その杏ちゃん!良かったらまた今度一緒にカラオケ行かない?」
おぉ、よく言った神尾!隣にいる杏ちゃんを見ると一瞬驚いてはいたが、すぐ笑顔になり「うん!また皆で行きましょ!」と答えていた。違うんだよ杏ちゃん!そんな天然なところも可愛いけど。
「俺は小春と一緒にネタを作ることや!」
胸を張って言うユウジ。本当この人小春小春煩いな。その割に小春は反応薄いけど。
その後も何個か質問を出し合ってついに好きな相手のスイッチを押す時がやってきた。
ショッキングカップル
(どうしよう)
(誰に押せばいいの)
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