Noウェイ!?とりっぷ | ナノ
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男子は苦手なんです!

早速ですが皆さん、
私……トリップしてしまいました!

しかも若返って!


何とか合格することができた大学が明日からという夜のこと、今までの学生生活を振り返りました。
それで私気づいたんです。全く青春していないことに……。


青春したかったという願望を抱きながら眠りに落ち、目が覚めると見覚えのない家でトリップしていたと言うわけなんです。





というか明日から大学一年だった人に中学一年からやり直させるって酷いよね。まだ良かったのは顔が少しだけ幼くなっていたところ。




そして言い忘れていましたが、トリップ先はテニプリの王者立海です。



正直言って嬉しいです。でもめちゃくちゃ混乱しています。






ちょっと落ち着こう、うん。

えっと今は中一の授業受けてます。


大学生になるはずだった私には楽勝すぎます。高校の問題はちょっと危ういとこもあるけど、中学の問題なんて鼻で笑えるわ。

ちょっ、ごめんなさい。石投げないで!



というわけで寝ましょう!転校初日だが、寝よう。だって中一だよ?うん、大丈夫だ問題ない。







********************







……チャイムの音が聞こえる。



『あれっ、教室に私一人?』


クラスの皆起こしてくれてもいいじゃないか。


そうだ私友達作ってない。明日は絶対に作らないと。中学は友達命だからなぁ、多分。



『そうだ!テニス部!!』


折角トリップしたんだから見に行かないと!いつ元の世界に戻るか分からないし。



私は急いで帰る用意をしてテニスコートへ向かった。





『レギュラーの技が生で見たかったんだよね!』


嬉し過ぎて顔が思わずにやける。傍から見たら絶対変な子だよ私。





さてさてコートの近くにやって来ました。


『うわー、コートの周り女子だらけ……。あそこからじゃ見れないな』


レギュラーが全員見れる位置に女子が沢山。フェンスに張り付いております。



周りを見渡せば、人がいないしテニス部が見れそうな良い場所を見つけた。私は口角を上げその場所に走っていった。


********************


コート上にテニスボールの打ち合う音が響き渡る。



「皆動きが悪すぎるよ」

「たるんどるぞ、赤也ぁ!」

「す、すんません!」

「右サイドへ打つ確率100%」

「仁王君ちゃんと練習したまえ」

「分かったき、うるさいのぉ柳生は」

「ふぅー、天才的ぃ」

「はぁ、ラリー中にそれやるなよな」





うわぁぁぁぁぁぁあ!


いる!いるよ!

いつも画面越しにしか見れなかった二次元のキャラ達が!!


今ブン太の綱渡り見れた!興奮し過ぎてフェンスが音を立ててるよ。

私のせいだけど。




『て、天才的!!うわっ、感動し過ぎて涙が……』



どうしよう、私死んでもいい……!








「だよね〜。丸井君天才的だC」








…………。




『えっ!?』




C?どこかで聞いたことあるよう……

『なっ!?』



後ろを振り向くと

『あく……あ、く』

「あく?」


芥川慈郎ーー!?


『……っ!』

駄目だ、名前は発言しちゃ。怪しまれる。


「あれね〜、綱渡りって言うんだよ〜」



えぇ!?ジローが近づいて来るー!


「丸井君は俺の憧れなんだ!……ってあれ、何で離れてくの?」

『はっ!』


言い忘れてましたが、私……男が苦手なのです。
ちゃんと喋れないんです。

ずっと青春が出来なかったのもこのせい。



『え……っと。いや、あの』


二次元のキャラはいけると思ってたけど、やっぱり無理だぁぁぁ!



「A〜?気になるC……」



どんどんこっちに近づいて来るよ!やめて、来ないでぇぇ!



「俺何かしたっけ?」


いやぁぁ!ジローが近くにー!!首傾げてる!くそっ、可愛い!

じゃなくて無理ー!



『わ、わわわ私、男が苦手……でっ!』

「ヘぇ〜、そうなんだ」


は、話せた……。

今のが話せたのに入るかわかんないけど。とりあえずホッ。


するとコートの方から休憩にするよー、と言う声を耳にした。



「きゅ、休憩だ!」

『うわっ!』

ちょっと!距離近いんだからさ、急に大声出さないでよ。




……面と向かって言えないけど。





「おーい!丸井君〜!!」

「おー、芥川じゃん」

ブン太がこっちに向かって走って来る。

「部活はどうしたんだよ?」

「今日は終わるのが早かったんだC」

「へぇー」

ブン太はガムを膨らませながらジローに答える。



「んで芥川、そいつは?」

『あっ……』



見つかってしまった。……って違う!

私はジローがブン太を呼んだ時に逃げようとしたんだよ!?

それなのに私の左腕がジローの右手にがっちり掴まれて……。

そりゃ二次元のキャラに触れることが出来るなんてこの上ない喜びですよ!?

でも今は離して!



「俺が近付いたら離れるし、丸井君呼んだら逃げそうだったから捕まえといたC」




「ふーん、お前見たことねぇ顔だな」

『きょ、今日転校……して、き……ました』


あばば、心臓がバクバクしてるよ!私今中一だからこの二人は先輩ってことになるのか。

敬語使わないと……。



「学年は?」

『いいいい、い……は、離してー!』


緊張し過ぎて一年って単語も言えねー!

あ、腕を振り回したらジローの手から逃れることに成功した。




逃げるべし!


私はこの二人から逃げ、校門へと走った。あんな所にいたら心臓がもたない。




男子は苦手なんです!


(何だったんだ、あいつ)
(男子が苦手って言ってたC)
(へぇー。変な奴……)

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