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年下なんです

昨日は仁王に騙され散々だった。
やっぱりあの人の事は信じちゃダメだな、うん。


昼休みに昼食をとった後、チーちゃんは係りの仕事があったので私は一人寂しく図書室に行くことにした。
他の子に話しかけるなんて出来ない。
ハァ、一人寂しい……。


前にチーちゃんに案内してもらった時も思ったけど図書室って結構広いなぁ。


『ん?』

大きめの机の上に紙が置いてあった。
覗いてみるとどうやら数学やら英語やらの問題が書いてある。

『あ、間違いだらけ……』

と、解きたい!中一の問題じゃ退屈過ぎるんだよね。
これ中一の問題じゃないし二年か三年の問題かな。

うずうず……。
あ、そういえばメモ用紙持ってたな私。
ペンもポケットの中入ってるから問題解いたメモをこの紙の横に置いておこう。
この問題用紙の持ち主にとってはありがた迷惑かな。





数分後問題を解き終わった。
そろそろこの問題を解いていた人が戻ってくるかもしれない。


『よし、戻ろう』

「おい」

『は、はい!!』

「アンタそこで何してんの」

『なな何もしてません!』

うわっ!あ、赤也だ。
どどどどうしよう!問題解いてるところ見られたかな。
誰のものか分からない問題を解いてるなんて私明らかに変人じゃないか。


ふーん、と言って机に向かう赤也。
……机に向かう、ってあれ?

恐る恐る振り返ってみるとイスに座って問題用紙と、さっき私が書いたメモ用紙を見ていた。

し、しまった。あの問題用紙は赤也のだったのか。

「何このメモ……」


ど、どうしよう……ウザがられる前に早くこの場から去ろう。


「おい待てよ、そこの奴」

『……』


こここ怖いよおおおお!!
誰か助けて。私一人じゃ無理だよ。


「アンタのメモだよな、これ」

『ち、違います』

「制服のポケットからこれと同じメモが見えてんだけど」

ばばば、ばれた。何て言い訳しよう。
間違えてばかりだったから、訂正したくなった。いやいやこれは失礼過ぎる。


「これアンタが解いたのか?」

うぅ……。ここは正直に頷いておこう。
怖くて逃げることも出来ず首を縦に振った。

チラリと赤也の方をみると手を顎に当てぶつぶつと何か呟いており、悩んでいるように見えた。



「あのさぁ、ちょっとでいいから残りの問題プリント解くのつきあってくんねぇ?」

『えっ……』

「前のテストが悪くてプリント渡されたんだけどよ、先輩達に見つかるとややこしくなるっつーかネチネチ言われるっつーか」

『あの……』

「頼める人がいねーんだよ、この問題全然分かんねーし。その……頼む!いや頼んます!」

『あ、はい』


良かった、まだ良い方向に話が進んで。
ウザがられたらどうしようかと思ってた。

えっと勉強教えればいいんだよね。
私説明上手くないんだけど大丈夫かなぁ。







********************


「終わったー!マジでありがとうございます。
そういえばアンタこの前丸井先輩が屋上に連れてきた女っスよね」

『は、はい』

「柳先輩と仲良しなんスか?同じクラスとか?」


……あれ、もしかして私三年だと思われてる?

『あ、あの違います』

「じゃあ丸井先輩達と同じクラスっスか?」

『いや、あの……ち、違うんです。学年が』

「は?じゃあ俺と同じ学年か?いやでも見たことねぇし」

『いち、年です』

「……は?」


赤也は余程驚いたのか目を丸くしていた。
そして少し動揺しながら口を開いた。

「じゃ、じゃあ俺は年下に勉強を教えてもらってたって事かよ」

マジかよ!と言いながら頭を抱え机に頭を打ちつけていた。
年下に勉強を教えてもらうとかプライドを傷つけてしまったかな。
何か悪いことしちゃったな。


『あのすいません……』

「何でアンタが謝るんだよ。まぁいいや。
その……この前は悪かった。
先輩達がやけにアンタの事気に入ってたから、何かムカついたっつーか」

『……ヤキモチ?』

「ちげー!ぜってぇ違うからな!
あと勉強教えてもらったけど、俺は切原赤也二年。
アンタの一コ上の先輩だからな!」

『は、はい』

「で、名前何だっけ?」

『咲本ひなたです』

私の自己紹介とほぼ同時に昼休みの終わるチャイムが鳴った。


「やっべー!チャイム鳴っちまった。
じゃあこのプリント提出してくるからまたなひなた!」

『は、はい』


そして赤也は急いで図書室から出た。
やっぱり可愛いな赤也は。良かった仲良くなれて。




年下なんです


(あ、幸村君からの罰)
(クリア出来たな)


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