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偵察に来て倒れました

赤也と仲良くするという幸村君との約束……いや違うか、幸村君からの罰をブン太に上手く言っておいてもらうことを条件に、今から偵察に行くところです。


どこの偵察に行くんだろう。
でも多分ブン太は遊び半分だよね、私服だし。
くそぅ、私服オシャレだなぁ……。




「着いたぜぃ」

『あ、はい……ってえ?』


「ひなた知ってんのか?












青春学園」





「いっ、いいえ」



えぇぇぇぇぇΣ
知っているも何も、テニプリの主人校ですからね!?




「いいかひなた、偵察ってのはな
敵の様子をこっそり探ることだからな」

『えっと了解です』


キャラを変えて話しかけて来るブン太に少し戸惑いながらも、返事をする。


そして、こそこそと青学のテニスコートに向かう。
あ、何回かここアニメで見たことあるな。


そしてテニスコートからは多分見えない位置で、ブン太の隣に腰を落とす。




うわぁぁぁぁあ!!青学メンバー!!
凄いよ!生で見れたよ!



「あいつが部長の手塚、あっちにいるのが副部長の大石でそのペアが……」


心の中でテンションを上げる私に勿論気付かないブン太は、横で青学メンバーを教えてくれる。


何かブン太って二人の時は大人びて見えるというか、お兄ちゃんっぽくなるというか……。

ジャッカルやレギュラーと一緒にいると子供っぽく見えるのに。





「それで一年の越前って奴で全員なんだけど、いねぇなぁ」








「何してんスか、あんたら」






「ん?」

『……ぇ?』



えぇぇぇぇぇ!?
い、いつの間に!?

何処かで聞いた声がしたから後ろを振り向いてみれば、テニプリの主人公越前リョーマがいた!!




『まる、ままま丸井せ、先輩!』

偵察しに来たんだから逃げないと!!

ブン太をチラリと見ると平然とガムを膨らませていた。


「で、コイツが青学レギュラー唯一の一年の越前な」

『え?』


「いや何で紹介してんスか。
てかアンタ立海の丸井さんでしょ。
何で青学に?」

「ケーキ食いに来たついでに偵察しに来たぜぃ」

「はぁ」


訳のわからない顔をしているリョーマ。
うん、私も分からない。






「で、アンタ誰?」

私の方を見て言うリョーマに少し身構える。
それに気付いたのかそうでないのかは分からないが、ブン太が口を開いた。


「あー、コイツうちのマネだぜぃ」

「へぇ、立海にマネなんていたんスね。初耳ッス」



えっ、と?どういうことだろうか。
私マネになった覚えなんてないんだけど。
とりあえず黙っておいた方が良いのかな。



「ていうか練習は良いのかよ、お前一年だろぃ」

「あ、そうだった
んじゃ、立海が偵察しに来てるって部長に報告しておきまーす」


「はぁ?言わなくていいって!」


リョーマがテニスコートへ走って行くのを見届け、隣でため息を吐くブン太。

あ、そうだ。


『あのマネージャーって……?』

「だってよ、テニス部に関わりのない奴が偵察に来るってのはおかしいだろぃ?」

『あぁ』

成る程。




「別に俺は本当にマネでも良いんだけど」


何かそっぽを向いてブツブツ言ってる。
全然聞き取れない……。



テニスコートに視線を戻すと、レギュラーは先程と変わらず練習に励んでいる。


頑張ってるなぁ、と見てると
零式ドロップや羆落としが生で見れた。

か、感動……!!

凄い!立海レギュラーの技も青学レギュラーの技も生で見ると、迫力が増す!



「……」

何か隣から視線を感じる。
横目で見るとブン太がジッとこっちを見ていた。


『どどどうされました?』


「……ジャッカルから聞いてたけど
ひなたって本当にプレイの方ばっかり見るんだな、ってよ」


『お、おかしいですか?』

「俺は嬉しいぜぃ」

『そそそうですか』


「今度俺の天才的な妙技も見ろぃ」

『はい』



「あー、何か喉乾いてきたぜぃ。
ひなた飲みもん持ってねー?」

『も、持ってないです』


「あ!部室の近くにドリンク大量に余ってんじゃん」

もーらい!と言いながらドリンクの方へ走って行く。
あれ?あのドリンク何処かで見たことあるような……。


『あっ!!ブ……ま、丸井先輩!ダメです!!』


「うぇぇぇぇえ!!何だこ、れ……ぇ」

『……遅かった』


うん、これで確信したよ。あれは乾汁だ。
どうしよう……ブン太倒れてるし。

とりあえず放置はいけないので、ブン太の方へ駆け寄る。



「……君は?」

上から低い声がした。
声で分かる……乾貞治だ。

どどどどうしよう!怖くて顔を上げれない。


「そっちは立海の丸井ブン太か?
……聞いているか?」

『ははは、ははい……!』

下を向きながら答えるとクスクスと笑う声が耳に届いた。


「乾、怖がってるよこの子」

「不二」

「クスッ、こっちは乾汁にやられたのかな。
それで君がさっき越前が言ってた立海のマネかな?」


焦りながら何度も頷く。
ふ、不二君だ!!笑顔がかわい「え?」

「どうした不二」

「いや何か変なこと考えてそうだったから」

…………不二君も黒属性ですかそうですか。



「丸井が起きるまで君は見学でもするか?」

『!!』

け、見学!!
是非近くで見てみたい……!!


『ご迷惑でなければ……!!』

「クスッ、急に目が光ったね」

「じゃあ手塚に言ってくる」




偵察に来て倒れました


(ブン太がね)


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