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ランキング

「ひなたが懐いているランキングを作ろうと思う」
「ブン太……お前唐突だな」
「良いっすね! 面白そうっす!」
「一位、参謀。終了ぜよ」

暇を持て余したブン太、ジャッカル、赤也、仁王の四人は空き部屋に集まった。ホワイトボードにひなたが懐いているランキングと記したブン太は、一位柳と書き加えた。

「やっぱ柳先輩は強いっすよねー」
「咲本を理解してるのも柳だろうしな」
「んじゃ、二位は! 誰だと思う!?」
「俺」

真顔で答える仁王に三人は冷めきった目でお前はない、と否定した。

「でも柳の次に懐いてる奴って立海にいるのか?」
「俺らが一番付き合いが長いんだぜ!? 他校の奴に負けてるなんておかしいだろぃ!」
「参謀がいない時に咲本のオカンをしてた氷帝の忍足はどうじゃ?」
「あー、アイツもそこまで懐かれてなかった感じだったぜぃ。寧ろひなたの方が全力で避けてるみたいだったけど」
「何したんだ忍足……」

柳不在の時にひなたのことを任されていた氷帝の忍足が候補に上がるがバッサリと落とされた。

「各高校から一人ずつ挙げていけば大体は絞れてくるんじゃないか?」
「そっすね! まずは青学だとー……誰っすか? 」
「柳と同じ分類の人間でいくと乾だけど、そんな話してるとこ見ないなー」
「一年の越前には敵対心を持ってるみたいぜよ。この前も肉を巡って争ってた」
「ブッ! 越前と喧嘩なんてひなたのやつ良い度胸してんなぁ」

そして本題に戻るが、青学とあまり関わらないひなたは誰に懐いているか分からず、結論「青学にはいない」となった。次に氷帝だが、皆が悩む中赤也には思い当たる人物が一人いた。

「日吉っすね。ムカつくけど」
「あぁ、確かにこの前も自分から声かけに行ってたな」
「跡部はひなたのこと色々と気にしてるみたいだぜぃ」
「それより赤也、咲本に言われたんか? 赤也より日吉の方が好きじゃて」

仁王がニヤニヤしながらそう言うと、赤也は頬を膨らませ分かりやすく拗ねた。面白がってブン太が赤也の頬を突く。

「好き、じゃなくて気を許してるって」
「へぇー。日吉って素っ気ない感じあんのにな」

四人がうーんと唸るが何故氷帝の日吉に懐いているのかは本人に聞いてみないと分からない。ブン太は本人にまた聞いてみようと決め、ホワイトボードに氷帝日吉と書き加えた。

「じゃあ次! 四天宝寺!」
「懐いてるって程ではないけど、たまに四天宝寺の奴らといるのは目にするな」
「意外じゃ」

ノリもテンションも全く異なるひなたと四天宝寺だが、何故か彼等と一緒にいることを目にする彼ら。彼女は大阪のノリが好きだったりするのか、と彼等は疑問に思ったのだった。

「優しい人ってなるとやっぱ白石さんっすかね?」
「んー……まっ、他に候補いねぇし白石って書いとくか」

ホワイトボードに四天宝寺はとりあえず白石、と書き加えられた。その他の学校は彼等が知っている限り、ひなたとは殆ど関わりがない。

「あ、亜久津とたまに話してねぇ?」
「見たことあるっす!」
「普通に会話してたぜよ」
「まじか」

ひなたの懐く基準や人の特徴が分からない、と悩む四人。柳に日吉、白石に亜久津。四人のメンバーがホワイトボードに書かれたが、彼等には共通点がない。

一位は圧倒的差で柳、そして二位以下でブン太は手を止めた。

「これ……ひなたにしか分からなくね?」
「そっすね」
「馬鹿じゃろ」

「つーわけでひなた呼んでくるぜ! ジャッカルが」
「俺かよ!!」


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ジャッカルに連れられ何故か空き部屋の空いているスペースに座らされた。

「とりあえず大体は挙げたから」

ほい、とブン太にペンを渡された。何だ、何なんだ……。ホワイトボードには大きくひなたが懐いているランキングと記されており、一位柳、それと日吉に白石、亜久津の名前があった。

柳が一番なのは分かる。それに日吉も話しかけやすい。素っ気無く見えて実は優しいし。白石はまぁちょっと天然なところもあるけど優しいのには変わりない。亜久津も顔は怖いけど優しい。うん、皆優しさが分かりやすいんだ。


でも私が安心する人ってなると……。スラスラとペンを走らせる。


柳 幸村 日吉 忍足 仁王


うーん、こんな感じかなぁ。ペンを置き振り返ると、ブン太と赤也が体を丸めながら泣いており仁王は無表情で涙を流し、それを見ているジャッカルは苦笑いをしていた。

「あ、あの……別にその、先輩達といるのが嫌いとかじゃなくて、何というか近くにいて落ち着く人を並べただけで」

どどどどうしよう。誰も何も返事がない。ブン太と赤也はどんどん丸まって小さくなっていく。

「えぇっと、お二人と話すのは楽しいですし、決して嫌いというわけではないので」

返事がないよー! 助けてお母さん……。

「じゃあ一緒にいて楽しいランキングだったら俺は入ってんのかよ」

赤也の問いかけに「勿論お二人とも入ってます!」と力強く答えると、喜びの声とともに二人とも復活した。この二人可愛い。中学生かよ。

いや中学生だった。私的可愛いランキングにトップでランクインするわ。



あれ? 今更だけど、私めちゃくちゃ恥ずかしい事してない? 何で自分で懐いてるランキングとか書かないといけないの!?

「やややっぱりこれはなしで!」

ランキングを消して自室へと逃げるようにして戻った。




ランキング


((まさか自分の名前を書いてくれるなんて))
(驚いたぜよ……)


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