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肉をかけて

比嘉中の人達から逃げてきてから誰とも会わない。ここはどこですか。誰か助けて下さい。あ、出来れば顔見知りの人でお願いします。

施設内を小走りで移動する。途中、高校生をちらほら見かけたけど声をかけれるわけがない。荷物は部屋に置かれているらしく、スマホもその中にある。連絡が取れないし私どうすれば……。


ぐーっとお腹が鳴った。不安でいっぱいなのにお腹は減る。困った。でもお昼ってことは食堂に行けば、皆食べてるんじゃ……!

「あー! 食堂どこー!!」
「食堂はこの先を右だ」
「なっ!? ええっ、と……」

いきなり後ろから声が! というか身長たかっ! 柳より高いよ。……あれ、誰だっけこの人。黒髪で鋭い目の高校生。見たことあるような気がするんだけど、あぁ、ちゃんと新テニ読んでおくんだった……。

「食堂を探してるんじゃないのか?」
「あ、はい。あっありがとうございました!」

はぁ、緊張したー。この先を右だったよね。良かった、食堂あった。そして中学メンバーも揃っていた。


「柳ぜんばいぃぃぃ!」
「咲本、どこに行っていたんだ? 迷っていた確率100%なのは分かるが」
「勝手にどっか行かないで下さい! 迷うし、ひっ比嘉中の人達には会うしで大変だったんです!」
「今から昼休憩らしいぞ。席は空けておくから取ってこい」
「……はーい」

ノートに何か書いてるし全然聞いてくれない。食事はバイキングでブン太がすっごい勢いで食べ物取ってるんだけど。特にケーキ。あと、比嘉中のでかい人。確か田仁志、だっけ?

適当に食べ物を取って柳の元へと戻る。私の席は取っておいてくれているものの、近くの席には仁王と乾が座っている。

「プピーナ」
「戻ってきたか」
「はい」

席に座って皆が取ってきた料理を見る。えっ、仁王の昼食ってこれだけなの?

「仁王先輩、これだけ……ですか?」
「おん。充分なり」
「だっダメです。力つかないです! ちょっと待ってて下さい」
「ピヨ」

いくらなんでもあの量は少ない。私より少ないんじゃないかな。野菜と魚とあと肉。肉をたくさん食べないと!


「うん。肉汁がいい感じだ」

うわぁぁ大石、いや焼肉奉行が肉を見てうんうんと頷いている。よしじゃああの肉を……。


ーーガチャンッ


「!?」
「ちょっと」
「「……」」

誰かとトングがぶつかった。もう、誰なの。うわぁやだこの人。越前リョーマだ。

「アンタさ、マネージャーなんだから選手に譲りなよ」
「わっ、私の分じゃ、ありません! 先輩の為に、です。なのでこの肉は頂きます」
「それ俺の肉だからやめてくんない?」
「バイキング、なっなので、誰の肉なんて、きき決まって……ないです!」

「こらこら肉はたくさんあるんだから喧嘩は止めろよ。まぁ俺のオススメはこの肉汁たっぷりの肉だな」

大石の一言で更にこの肉が取りたくなった。きっとリョーマもそうだろう。私達は周りから見ると、ばちばちばちと私達の間には火花が散っていると思う。そこに走ってやってきた金ちゃん。

「なんやなんや! コシマエと咲本が喧嘩かぁー!?」
「この肉が食べたいんだよね」
「譲りません!」
「またテニスで勝負する?」
「わいも勝負しーたーいー!」

「ここは公平にジャンケンじゃないか?」

ジャンケンか。よし、仁王のためにも勝たなくては!



「ちぇっ」
「……っ!」

……勝った。やったぁ。肉を取って席に戻る。悔しがるリョーマ、最高だったなぁ。金ちゃんに励まされてた。


「これ、食べて下さい!」
「……こんなに食べれんぜよ」
「沢山取ってきたな」
「しかし仁王は普段からこれくらい栄養を摂っておかないといけない」

やっとご飯だ。仁王も少しずつだけど私が取ってきたものを食べてくれてる。あぁご飯が美味しい。

「お腹いっぱいナリ」

三人が食べ終わる頃には仁王の皿はさっきよりも減っていたものの、まだ野菜が少し残っていた。

「が、頑張ってください」
「咲本が食べさせてくれるなら頑張るぜよ」
「むむむむりです!」

でも食べてほしいし、ここは頑張るしかないのか? 残ってる量は一気に箸で取れなくもない。

「プククッ、冗談ぜよ。参謀の前でイチャつくと怒られるからのぅ」
「別に怒りはしない」

冗談か。完食してもらって良かった。リョーマから肉を勝ち取った甲斐があった。


「そういえば咲本は貞治のドリンクを飲んだことがあるか?」
「いえ。あ、でも絶対飲みたくないです」

乾汁なんて飲んだら気を失うどころか命が危ない。でもどれだけ不味いのか興味はあるかも。

「しかし味が気になってる確率62%だな」
「そのようだな。貞治のドリンクは栄養満点なんだ。飲んでみるといい」
「いいいいえ! きっ気になってません」
「今度一緒に作ろうか」
「そうしよう。拒否権はないぞ咲本」
「ひぃ!」
「どんまいぜよ」




肉をかけて


(勝負しました)
(ここのご飯どれも美味しい)

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