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ルフィの仲間としての好きに反応する両翼



「ルフィって美味しそうにお肉食べるよね」

 お肉を食べながら隣で釣りをするルフィを見て、ふと思った事を口にした。私の言葉に反応した彼は口に入れていたお肉をゴクンと飲み込み、美味ェからなと歯を見せて笑った。

「渚が前に作ったやつも美味かったぞ」
「スコーンのこと?」
「分かんねえけどジャムと一緒に食べたサクサクしたやつ。またあれが食いてェなー」
「じゃあ今度作るね。気に入ってくれて良かった」
「肉食ったら眠くなってきたな」

 ルフィは釣り竿を持ちながらウトウトし始めた。その様子がなんだか可愛くて、私は芝生の上に腰を下ろして自分の膝をポンポンと叩いた。

「お昼寝する?」
「んー」

 釣り竿を置いて片目を擦りながら彼は私の膝の上に頭を乗せた。……か、かわいい。弟がいたらこんな感じなんだろうな。寝息を立てるルフィの頭を優しく撫でた。

 今日は暖かいしお昼寝日和だな、と見回しているとすぐ近くにゾロも昼寝をしているのが見えて、私も眠くなってきた。



 階段を降りる音が聞こえて、意識を戻す。いつの間にか私も眠っていたみたいだ。

「渚ちゃーん! ドリンクを入れてきたよー……ってなにー!?」

 サンジの声でルフィが目を覚まして上半身を起こした。

「なんだ? メシか?」
「さっき食ったばっかだろうが。ったく、羨ましい事しやがって」
「ルフィ、昼寝はもういいの?」
「ああ、ありがとう。渚の太ももってもちもちしてて気持ちいいな」
「ギャーーー!」

 私の脚を触るルフィに何故かサンジが奇声を上げる。ルフィに触られるのは良いんだけど、もちもちって、肉付きがいいってこと? ……痩せよう。

「ルルルッルフィお前! レディの身体にベタベタと触れてんじゃねえ! そういうのは好きなレディにする事だ!」
「テメェが言うことじゃねえだろ」
「何だとマリモヘッド!」
「あ? やんのか? クソ眉毛」

 いつの間にか起きていたゾロと、サンジの喧嘩が始まった。いまだに私の脚を触っているルフィは不思議そうにサンジに疑問を投げつける。

「おれ、渚のこと好きだから別に良いだろ」

 ギュンッと思わず胸が鳴った。どうしよう、ルフィが可愛くて仕方がない。

「ルフィ、私も好き……」
「おう!」

 ニコニコと笑うルフィは船内に入って行き、私はその後ろ姿を見送った。

「本当ルフィって可愛い……ってどうしたの二人とも」

 いつの間にか二人の喧嘩は止まっていて、ゾロは目を丸くしてるしサンジは口をあんぐりと開けている。何とも間抜け面だ。

「渚ちゃん、その"好き"の意味はどういう……」
「どういう? 勿論、仲間としてだけど……」

 首を傾げながらそう答えると、サンジは「それなら良かった」と私にドリンクを渡し、ゾロには「ややこしいんだよ、お前らは」と頭を小突かれた。