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ゾロとサンジの夢主に対する気持ちを知ってるフランキーが二人の反応を楽しむために夢主と絡む話




 船内を歩いていたら、フランキーの声が聞こえた。彼は床に座っていて、近くに道具箱が置いてあるので何か修理でもしているのかもしれない。

「しまった、釘がねェ!」
「何してるの? フランキー」
「おう、船のメンテナンスだ」
「そうなんだ。釘がないって聞こえたけど取ってこようか?」
「わりィな、助かるぜェ」

 両手が塞がっていて手が離せないみたいだし、普段フランキーの手伝いはあまり出来ていないから、手伝えることがあるなら喜んでやる。釘はきっと兵器開発室だろうと思ってそこへ向かった。
 前からサンジが歩いてきて、私を見つけては飛び跳ねて駆け寄ってきた。

「渚ちゅわーん! 今日も眩しくて目が開けれないほどお美しい。今からおれとティータイムはどうかな」
「もうそんな時間? ごめんね、今フランキーの手伝いしてて。また後で」

 そうか、と言いながらサンジは私の後をついてくる。部屋に入り、釘の入った箱を取るとサンジが持つよと言って持ってくれた。そんな重いものでもないんだけど、優しいな。

 結局フランキーの元まで一緒についてきてくれて、私はただ歩いただけだった。


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「ほらよ、フランキー」
「おっ! サンジじゃねえか。ありがとな」

 サンジは釘の入った箱をフランキーに渡す。フランキーは渚に頼んだはずが何故サンジが持ってきたのか少し驚いたが、きっとこうだろうとすぐに状況を理解した。
 釘を渡したサンジは目をハートにして彼女に話しかける。

「それじゃあ渚ちゃん、おれとのティータイムを……」
「この釘じゃねェな。これより小せえやつだ」
「えっ! そうなの!? ごめん、もう一回取りに行ってくる」
「渚ちゅわーん……」
「わりィな、サンジ」

 ニヤリと口角を上げるフランキーにサンジは目を丸くさせ、顔を引き攣らせた。

「フランキーお前、まさかわざとじゃねえよな?」
「何のことだ?」
「そうだよな。フランキーに限ってそんな……」

 その後もフランキーは渚に頼み事をし、それに応える彼女を見て目に涙を溜めるサンジであった。フランキーは二人が去った後、一人大笑いしていた。

「お待たせ、サンジ」
「渚ちゅわーん……」
「ごめんね、待たせちゃって。ふふっ、サンジ子犬みたい」
「子犬!? いやこの際子犬でも構わねえ! おれを飼ってくれー!」
「よしよーし」

 彼女は目の前の男を可愛いなと思いながら頭を優しく撫でる。主人からの待てをずっと守っていた犬のようにサンジは尻尾を振っていた。


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 ティータイムを終えた彼女と、船内の点検を終えたフランキーが甲板に出たタイミングは偶然にも同じだった。

「渚、上に行くのか?」
「うん。ゾロの筋トレ見に行こうかなって思って」
「トレーニングジムの点検をしに行こうと思ってたところだ。上に乗るか?」
「えっ、良いの!? 乗る!」

 上に登るの大変なんだよね、と笑う彼女を背中に乗せ、フランキーはジムに向かった。ジムでトレーニングをしていたゾロは、顔を出したフランキーに気づき声を掛ける。

「珍しいなフランキーが来るなんて」
「ちょっと点検をな。壊れてるところはねえか?」
「ああ。特には……って、背中に乗ってるモンはなんだ」
「バレた」
「バレちまったなァ」
「隠れる気なかっただろ」

 フランキーは点検を始めるが、その間彼女はずっと背中に乗ったまま。それを筋トレしながら無意識に目で追うゾロ。その視線にフランキーだけは気付いていた。

「おい渚。今日はおれのスーパーな背中に乗って移動するか?」
「あっ! 安定感ありすぎて降りるの忘れてた! 今降りるね」
「別にこのままでもいいぜ」
「良いの!?」
「いやダメだろ」

 喜ぶ彼女に否定するゾロ。そんな二人の様子にフランキーは「冗談だ」と言って笑いながら彼女を背中から下ろした。

 しかしその瞬間、船が揺れて彼女はバランスを崩した。フランキーは大きな腕で彼女を包み込むように支える。

「大丈夫か?」
「ありがと。フランキーの腕って安定感半端ないね」
「そりゃァな。スーパーなおれに惚れるなよ」

 笑いを溢す彼女を見て、ゾロは頭をガシガシとかいた。下から彼女のことを呼ぶ声が聞こえ、彼女はジムを後にした。
 ゾロは眉間に皺を寄せながらフランキーを見ると、フランキーは笑いながら謝った。

「わりィな。アイツの事になるとお前らの反応が面白くてつい揶揄っちまう。確かにアイツは上玉だ。だが、おれがスーパーすぎてつり合わねェ。とりゃしねェから安心しな」
「別にんなこと聞いてねえ……」

 ゾロは途中まで言って気付いた。"お前ら"という事は自分の他に揶揄われた人間がいたということで。その他の人間が誰なのか、ゾロはすぐに分かり溜息を吐いた。

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