りんご、ゴリラ、ラッパ

Kuroko × Akashi



「暇だね」
「……そうでもないです」
「そうか。僕は暇だ。部屋の片付けを終え、夕飯の仕込みも済んで、ダンボールも縛って玄関に置いてある。ああ、一体僕は何をして暇を潰せばいいのだろう」
「詰将棋でもやっていてください」
「つれないな。かまってくれ、と言っているのに」
「ボクは今本を読むのに忙しいんです」
「よし、しりとりをするかテツヤ」
「人の話を聞かない人ですね。りんご」
「ゴリラ。なんだかんだ言いつつ付き合ってくれるお前が愛しいよ」
「ラッパ。……やっぱりやめましょう、ボク今はこの本に集中したいです」
「パンドラ。折角引越しの準備が終わったのに早速本を読みにかかるお前が酷いんだ」
「ランドセル。ずっと続きが気になっていたんです、知ってたでしょう」
「ルイジアナ。それでも。寂しい思いをしてる恋人を放っておくひどい男だというのには変わりがないぞ」
「波寄。……赤司くん」
「ん……っ」
「……ふ……っ」
「……積極的なテツヤ、嫌いじゃない……」
「いや、そこは素直に好きと言えばいいでしょう」
「うん」

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