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半ば放置プレイと化していた不良AとBがまた突っ掛かった。
それはまた虚々しく廊下に響くもので。
そして、不良たちはすかさず金木へと拳を振り上げた。
前例があるゆえに、佐田の弱点になりそうな金木を佐田よりも先に叩こうとしたのだろう。
――しかし、周りの野次馬は見た。
佐田(と金木も)が残忍に笑んだのを。
冷気という冷気が辺りを包む。
『佐田が笑ったら終わり』
それは見事に、そのままとなったのだ。
――その場には二つの屍があったとかなかったとか。
―――――
「あ〜あ。せっかくの顔に傷つけちゃってー」
「…いきなりバカ共がお前を狙うからだ」
「だからってねぇ。顔でガードしなくてもよかったに」
「じゃあ避けようとぐらいはしろよ…」
「やぁだ。だって、身体張ってでも守ってくれる淳弘が見たかったんだもーん。やっぱ愛、だよね〜」
「………………バカか」
「えー?ひどい」
ころころと笑い声が響く場。
そして、誰かさんはこう言う。
『地獄の佐田も金木次第』
えんど。
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