5
「淳弘!俺との約束忘れちゃったのぉ!?」
「…覚えてる」
「じゃあ、あのさっきの手はなぁに!?」
「……………わりぃ」
そう言って佐田が顔を俯かせれば、金木はしょうがないなぁとでも言ったように顔を緩ませた。
「いい?淳弘。淳弘から手を出したら淳弘の責任になるんだからね?あくまでも相手が仕掛けてきたら、返すんだよ。そうしたら僕がどうにでもしてあげるからさ」
淳弘はいい子だからできるよね?
それはそれは、素晴らしい笑顔だった。
言うなれば、否を是に変えてしまう程の威力。
――周囲はつくづく思った。
金木を敵に回してはいけない。
佐田<金木だと。
佐田はといえば、少し金木の絶対的なオーラに圧倒されながらも「おぅ…」と返事した。
それに金木は満足すると、背の高い佐田の頭を背伸びしながら撫でた。
少し、異様な光景だった。
「………あ。
おい!てめぇら!俺ら無視してんじゃねぇぞ!!」
「ナメてんのか!?」
[*←] | [→#]
5/7
←