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その学校には、『地獄の佐田』と呼ばれる極悪の不良がいた。
――体育館裏にて
「てめぇ…佐田!!この前はよくもやってくれたなァ!!借りをしっかり返してやるよ!!」
「そのすかした面グチャグチャになるまで殴って潰す!!」
そう言った不良AとB。
佐田と呼ばれた彼、佐田 淳弘は至って反応なしである。
それにまたいらついたのか不良AとBは青筋を増やすと、佐田に殴りかかった。
あわやピンチ!
…というところで、佐田はその拳を平然とかわした。
見事な避けだ。
もちろん、不良たちは面白いはずがない。
またもや殴りかかろうとするが、もはや死亡フラグも当然だった。
佐田が口元を歪ませ、笑んでしまったのだ。
『佐田が笑ったら終わり』
それは公然と知れた暗黙の了解。
――その場には、無残にも散った二つの屍があったとかなんとか。
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