俺、笠野 悠季の場合。

 



20XX年5月。

俺の学校に宇宙人が転校してきた。



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宇宙人的奇行:その1






「おはよう、笠野」




甘いテノールの声を響かせながらそう言ったのは、綺麗なブロンドの髪に綺麗な翠色の瞳をした綺麗な男。

何に対しても“綺麗な”が付くような、嫌みな男だ。


身長は明らかに悲しいほど俺より上。


ほんと、嫌みな男だ。




そして、現に俺はそんな奴に対面してる訳で。

まぁ、とりあえずは挨拶を返すのが世間一般の普通だろう。



だが、そんなことをしないのが俺の……いや、これじゃ語弊があるな。

俺ら、の普通だ。


だから俺は気にすることなくスルースキルを使わせてもらう。




「…笠野?」


……。


「笠野ー」


………。 

「笠野……」


…………。


「……。



〜〜ああっ!やっぱり最高だよ!!笠野ぉ〜」





…ああ……。

やっぱり出た。




「もう、笠野ってば!こんなに俺を興奮させてどうするの!?可愛いなぁ本当!大丈夫、安心して。俺は笠野以外見えてないよ」





……一言、二言、脳内で言おうか。


他見ろ!それこそ、俺以外を見てくれ。全力で!


毎日毎日よく飽きねぇな!

タイヤキ見習え!あいつは海に逃げ出したぞ!





「ね?」


「…はぁ」





――単刀直入に言おう。


こいつ、帙フマキ 由羅は類い稀なる(俺の世界では)変態だ。


…待て。変態?

違うな。宇宙人だ。




ちなみに、こいつは2週間前に転校してきたばかりだ。

そしてすでにその時からこうだった。


こいつは頭の造りが人間とは違うんだ。

そう理解するのに3日かかった。 

最初はちゃんと相手してたんだけど、反応がなにせうざかった。
今のでもうざいが、比にならないくらいうざかった。




 



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